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21世紀を代表するジャズミュージシャンを統計的に導きだしました

今日のブログ投稿は、最近ジャズファンになった人へ向けてのミュージシャン紹介です。

「いま、どんなジャズミュージシャンが人気なのか?」という問いに、統計的に答えようと思います。
ビッグデータで「21世紀のジャズ」つまり2000年以降にどんなジャズミュージシャンが聴かれてきたかを調べるという試みです。

2000年代のジャズ

まず結論から書くと、2000年代に人気だったジャズミュージシャンとそのアルバムは、
Andrew Hill (piano)
『Dusk』(2001)
『Time Lines』(2006)
Dave Holland (bass)
『Not for Nothin’』(2002)
『Extended Play: Live at Birdland』(2004)
Maria Schneider (composer)
『Concert in the Garden』(2005)
『Sky Blue』(2008)

こういう感じ。

2010年代のジャズ

次に2010年代〜、まさにいま現在の人気はというと、
Vijay Iyer (piano)
『Historicity』  (2010)
『Accelerando』  (2012)
Wayne Shorter (sax)
『Without a Net』 (2013)
『Emanon』 (2019)
Cécile McLorin Salvant (vocal)
『WomanChild』 (2014)
『Dreams and Daggers』 (2018)

といったミュージシャンとアルバムになります。

ダウンビート批評家投票

このセレクションにはルールがあるのですが、このセレクトを見てピンと来た人はさすがです。

このミュージシャンは、雑誌「ダウンビート」の批評家投票で複数回アルバム・オブ・イヤーを獲得しているミュージシャンです。
(まぁ”ビッグデータ”というのはなんというか冗談なのですけど、、)

投票結果の一覧はこちらから見られます。

ダウンビート誌はアメリカのジャズシーンではもっとも権威のある雑誌と言われていて、批評家投票は毎年発表されています。
ニュースになった時に投票結果はチラ見したりしていたのですけど、今回あらためてどういう作品がこれまで受賞したのか見直してみました。

2010年代の3人(Iyer, Shorter,Salvant)を見てもなかなか納得できるセレクションじゃないでしょうか。個人的には自分の好みと結構近いところも多いです。

あなどれないダウンビート

それにしてもこの受賞履歴を見ると、なかなか面白いですね。
それにしてもこうやってあらためて見てみると、ダウンビートって思ったよりフリージャズっぽいアルバムをセレクションしているんですね。

オーネット・コールマンなんて6回も選ばれています。逆にマイルス・デイヴィスは「Bitches Brew」 (1970)のみだったり。

1967年〜1971年の間の5年間でデューク・エリントンが4回受賞というのも良くわかりませんねー。設立初期は方針が定まっていないのかな。

楽器別の個人賞

ダウンビートは楽器別の投票も行っていて、こちらも見ていると面白いです。
一覧は無いのですが、例えば2019年の投票結果はこちら

ダウンビート的 最近の人気ミュージシャン

最近の傾向、ということで2015〜2019年の5年間で見て評価の高いミュージシャンを挙げるてみると
5年連続受賞
Bass: Christian Mcbride
4回受賞
Drums: Jack DeJohnette (2019年はBrian Blade)
Female Vocal: Cécile McLorin Salvant (2015年のみDiana Krall)

5年中3回受賞
Piano: Kenny Barron ← なんで??違和感あり
Trumpet: Ambrose Akinmusire
Soprano Sax: Jane Ira Bloom
Alto: Rudresh Mahanthappa
Guitar: Mary Halvorson
※ちなみに候補者が少なそうな部門は省きました。マリア・シュナイダーとかずっと独占だし。

これからジャズを聴く人へ

これからジャズを聴こうと思っている女性には、この投稿で名前が挙がったミュージシャンをチェックすると良いかも。別にサブスクでも何でも視聴できますしね。
個人賞も細かく見ていくと、もっといろいろな人の名前を見つけることができて楽しいです。

最後にこちらの動画は個人賞連覇中のChristian Mcbride Trio