スポンサーリンク

燃え上がるバリガムラン Gamelan Gong Kebyar

実はみんな聴きたかったガムラン

ここではワールドミュージックの投稿もしているので、ガムランについて書きたかったのですけど、ガムランは誰が有名なミュージシャンかなど良くわからず、これまでずっと書けなかったんですよね。

先日たまたまSNSでガムラン動画を紹介したところ、なぜか反応してくれる人がすごく多かったので「これはやっぱり、みんなガムランに興味あるのかな?」と思って、ちょっとガムランについてヤホーで調べて投稿することにしました。

ガムランいろいろ

ガムランはインドネシアの伝統音楽で、大中小の青銅ゴングや打楽器、笛などで合奏される音楽の総称。
wikiを見ると、バリ島とジャワ島の違いやジャワ島の地域による特徴、ペロッグ・スレンドロ音階などの音楽的な話など盛りだくさんです。もう良くわかりませんが、長い歴史と独自の音楽体系を持っていることだけはわかります。

細かい違いをあげるとキリがないので、ざっくり分類すると

ゴングか竹か

青銅のゴングを使って鉄琴のような音を出すタイプと、竹を木琴のようなスタイルで弾くタイプのガムランもあります。
竹ガムランはジャワに多いのでしょうか。
個人的には、竹ガムランは地味であまり聴きません

テンポの速い遅い

1曲の中でテンポが徐々に遅く(あるいは早く)なるところもガムランの特徴。
テンポが変化していってもアンサンブルをバシッと合わせるところは人間業とは思えないですね。
逆にずっとスローテンポのガムランというもあって、ヒーリングミュージックっぽくて需要があるのか、ガムラン音楽で検索するとけっこうたくさんヒットします。
そういうスローテンポのガムランは「ガムラン・ドゥグン」という分類のようです。ヒーリングというか民族音楽雑貨店のBGM的と言えなくもないですね。

スリン演奏の比率

メロディー部を担当するのがほぼゴングだけ、竹だけという場合もありますけど、メロディーを竹製の笛(スリン)で奏でるタイプのガムランもあり。
スリンが入るとちょっとほのぼのした雰囲気になりますね。

スリンが一番目立つガムランといえばジャワ地方のカチャピ・スリンという音楽があって、ゴングは使わず、スリン1人にカチャピというチター状の弦楽器で伴奏するというスタイル。
ガムラン・ドゥグンやこのカチャピ・スリンなどは、西部ジャワ地方のいわゆるスンダ・ガムランという分類らしいですね。ふむふむ、勉強になる。

※ちなみにカチャピ・スリンは、ジョン・ゾーンが雑誌の企画か何かで「マイベスト10アルバム」を選んだ際に、10枚中2枚も選んでいました(トリビア)

ガムラン・ドゥグンとカチャピ・スリンの音源

Gamelan Gong Kebyar

個人的に好きなガムランは、「テンポがとにかく速くてゴングがけたたましく鳴り響くガムラン」なので、分類でいうとバリ島のガムランということになりそう。
実はこういうスタイルのガムランには名前があって、Gong kebyar(Kebyar=燃え上がるの意味)というらしいです。

冒頭のツイートのガムラン演奏の動画もGong Kebyarです。

日本でガムランといえばJVC JVCワールドサウンズですが、このGong Kebyarと銘打ったアルバムも多いです。

ここでSpotifyで聴けるガムランアルバムで、プレイリストを作りましたよ。

1・2曲めはゴングがメロディーを演奏するタイプ。
3曲め:後半、スリンがソロを取るとこういう感じです。
4曲め:有名グループ Tirta Sariの演奏。ヴォーカルが入るとこんな感じ
5曲め:Tirta Sariをもう1曲、スピード感がすごい

現代のパトロン

20世紀になると、例えばアフリカ音楽がロックやブルース(エレキギター)の影響を受けたり、キューバ音楽がアメリカのラジオから聴こえてくるジャズの影響を受けたり、テクノロジーや情報技術の発達とともにそのスタイルを変えてきました。
ただ、インドネシアのガムランは周りの影響をほぼ受けることなく、自分たちのコミュニティの中でのみ進化してきた、数少ない「ピュア」な民族音楽だと言えるかも

かつてはガムランのような大編成でコストのかかる音楽は王室などのパトロンがいたのですが、近代化・民主化にともなって、こういう音楽は維持が難しくなっていっているのだと思います。
クラシックのオーケストラのように、国や自治体が文化事業として彼らの活動を保護できればいちばん良いのでしょうけど、インドネシアではそれも厳しい状況でしょう。

ただ、YouTubeなどを見ると、ガムランの動画ってひと昔前よりたくさんアップされるようになった気はします。
こういう動画は観光客が撮影しているものも多く、少なくともバリ島などではガムランは観光客向けの公演によって支えられているという現実はありそう。

バリでエステとビーチを楽しみに来た観光客のためだけに彼らの音楽が消費されるのは、なんとも複雑な心境ではあります。
ですが、音楽の出来についてそこまでうるさいこと言わないし生活を保証してくれる観光客は、いわば現代のパトロンのような存在なので、多めにみても良いかも。

ガムラン演奏家も、変に観光客に迎合せずに、心ゆくまで自分たちのやりたい音楽を発展させてほしいですよね。

動画はバリ島、ウブド村でのヤマ・サリによるガムラン