(2019年8月31日に投稿)
ここ数週間、SNSを眺めていると、フランク・オーシャンのアルバム『Blonde』の話題を良く見かけるようになりました。
どうして話題になっているかというと、どうも元ゲスの極み乙女の川谷絵音さんがネット番組??でフランク・オーシャンについて発言して、それに批判が集まったからのようです。
その番組というのは、”WEEKLY OCHIAI 「音楽をアップデートせよ」”という落合陽一さんがホストの番組で、この番組にゲスト出演した川谷さんはこんな発言をしています。
「洋楽っぽい日本人ミュージシャンって、洋楽ミュージシャンをもろパクリしてるだけ」
「パクリ元のミュージシャンを知らないからカッコいいってなるけど、音楽をたくさん聴いている僕らからすると、海外のミュージシャンを聴けば良いのに」
「例えば、Jojiっていうのも、売れてはいるんですけど、別にフランク・オーシャンを聴きゃ良いじゃん、っていうこと」
とまぁ、こういう発言をしたため「おいおい、川谷絵音が偉そうにJojiをディスってるぞ!」
という風に炎上したようです。
川谷絵音がJojiをディスってるぞ!
ただ(みんな、もうあまり川谷絵音さんに興味がないのか)実際にはプチ炎上で済んでいた感じです。
川谷さんへの批判をしていたのは、(もちろん中にはいたかもしれませんが)ほとんどはJojiさんのファン以外の人でしたね。
私も今回、Jojiさんの名前をはじめて知りましたし、ディープな音楽ファン以外にはJojiさんは知られていないのかも。
SNSを読んでいると、ほとんどの人は川谷絵音さんにもJojiさんにもあまり興味は無さそうでしたけど、
川谷さんの言葉のはしばしに漂う、「お前ら一般人は音楽のこと全然わかっていないから、、」とでも言いたげな上から目線の物言いにカチンときた人が多かったみたいな印象です。
わたしも「かんじわるっ!」とは思いましたね。
こういうぶっちゃけキャラの川谷さんを観ると、番組側から
「言いたいこと言っちゃって視聴者を怒らせてもOKですから」
「炎上したらしたでラッキーかも」
みたいに言われていたのかな?とも疑っちゃいますね。
わかりやすく言うとワイドシューの古市憲寿さんポジション。
直接そういうお願いをされた訳じゃないのかもしれないけど、そういう炎上スレスレのコメントを期待されて川谷さんはキャスティングされたのかも。
Frank Ocean 『Blonde』聴いてみた
で、このプチ炎上騒動でも話題になったフランク・オーシャン。
ここで正直に白状しますと、フランク・オーシャンは「全く」聴いたこと無かったのですよね。
名前もほとんど知らなかったし。
フランク・オーシャンは、ビルボードトップ100とかにランクインするほどのヒットを飛ばしているようで、音楽雑誌やSNSで洋楽情報をチェックしている人からすれば普通に聞く名前なんでしょうけどね。
ただ、今回のプチ炎上のあとにSNSでは「やっぱりフランク・オーシャン良いよね」みたい話の流れになって、「知ってて当然」な雰囲気でしたので、さすがに今回聴いてみました。
「Blonde」聴いてみた
聴いてみると、「なるほど、これが噂のBlondeか」という感じなのですが
「超スローテンポ、で少ない音数、ドラムも少なめ」
「ヴォーカル加工やノイズ処理などの汚し」
みたいな感じですかね。
過剰に音色加工されたビートがうごめいていて「もうドラムセットとかはもうお呼びじゃないんだな」という感想。
曲も、なんというかぼんやりと抽象的。
「どういう曲が名曲なのかというと、例えばキャンプの夜にキャンプファイヤーの周りでみんなで歌って盛り上がる曲のことだよ」
と誰かが言っていましたが、そういう(ある意味古い)頭で聴いてみると、『Blonde』で歌われるのはもう「曲」ですら無いような。曲というより印象的なフレーズの集まり、みたいな。
ただ、こういうコンセプトも他にはない唯一無二という訳ではなくて、個人的な感想ではなんとなくR.Kellyとかと近い印象ですね。
2010年代も終わりということで、10年を総括するweb記事などもたくさんありましたけど、フランク・オーシャンを2010年代を代表するアーティストにあげている人もいましたね。
フランク・オーシャンを選ぶくらいなら、ジャスティン・ビーバーを2010年代を代表するアーティストに選んだって良いような気もしますけど(だって似てるし、一般的な人気はビーバーの方が上だし)
あとフランク・オーシャンについては、彼のリリックについて論評している人がすごく多い印象です。
多くは彼のセクシャル・アイデンティティやプライベートに絡めて、彼のパーソナリティについて語っていたり。
個人的には、そういうのは音楽の良し悪しとは別物だと思うのであまり興味はないかな。