パスクァーレ・グラッソ『Solo Bud Powell』レビュー

以前このブログでも取り上げたジャズギタリストのパスクァーレ・グラッソ。

彼はその存在を知ってから気になる存在で、アルバムが出たら必ず聴いてブログに書こうと決めていたのですが、そんな彼が2020年に2枚のソロ・ギターアルバムをリリースしていました。

今年になって『Solo Masterpieces』というタイトルの、これまでリリースしたEPからセレクトしたスタンダード曲やセロニアス・モンクの曲、バド・パウエルの曲などをコンパイルしたアルバムをリリースしています。

『Solo Masterpieces』はほぼ既発曲でベスト盤的なアルバムみたいですが、バド・パウエルの曲だけはこのアルバムの後にリリースされる『Solo Bud Powell』の曲を先行して収録しているようです。どちらのアルバムも配信限定のリリースのようですね。

『Solo Masterpieces』につづいてリリースされた『Solo Bud Powell』は、これまでのEPではなくアルバム1枚のヴォリュームで、彼自身が最も影響を受けたというバド・パウエル曲集ということで気合が入っている感じです。

『Bouncing with Bud』や『Oblivion』などの名曲を、スピード感あふれる指さばきで演奏していて聴きいってしまいますね。
バド・パウエルは敬愛しているミュージシャンと公言しているだけあって、以前から彼の曲を演奏する動画などもあげていますね。動画で見るとこのスムースなよどみの無さはほれぼれします。指がありえない動きをしていますね、、

こちらの動画は2015年の動画

それにしてもGrassoは、自身名義のアルバムはひたすらソロ・ギターでのリリースなのですね。

グラッソのトリオ形式での演奏がアルバムとして聴けるのは、フランス出身のベテランドラマーRenaud Penantのアルバム『In the Mood for a Classic』がほとんど唯一と言って良いかも。
このアルバムはほとんどグラッソのアルバムと言っても良くて、スピーディーなバップフレーズが最高です。
こういうトリオやカルテット形式でのアルバムをもっと出して欲しいのですけどね。

今のジャズの世界で、スタンダードばっかり演奏するっていうのはメディアや他のミュージシャンからあまり評価されないような気もしますがどうなんでしょう。
やっぱり現代ジャズは作曲とかアレンジが重要視されている気はしますけど。

まあとにかくグラッソはまだまだ本気出していないところもあると思うので、これからガンガン売れてほしいですね。

 

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