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ホルヘ・ローダーの時代がくる

今回の投稿は、最近、かなり頻繁にその名前を聞くようになったベーシストのホルヘ・ローダー(Jorge Roeder)について書こうかなと思います。
いつものアルバム紹介ではなくてちょっと趣向を変えてみました。

ホルヘ・ローダーはペルーのリマ出身で、現在はニューヨークで活躍するベーシスト。
おそらく多くの人はギタリストのジュリアン・ラージや、ピアニストのシャイ・マエストロと共演していることで名前を知っているんじゃないでしょうか。

そのほかの活動としては、トロンボーン奏者ライアン・ケベールのグループ ”カタルシス”への参加や、アルゼンチン出身のヴォーカリスト、ソフィア・レイとのコラボなどもあります。

このブログでも取り上げた中でも3枚のアルバムに彼は参加しているのですが、これはなかなかの割合ですね。
その3枚はこちら
ジュリアン・ラージ 『Love Hurts』
ペトラ・ヘイデン『Song for Petra』
デイブ・ダグラス『Overcome』
『Overcome』には、バンドメイトのライアン・ケベールと一緒に参加していますね。ケベールはダグラスのGreen Leafレーベルからアルバムリリースしているので、そのつながりのようです。

こんな感じで、自分の観測範囲ではかなり重要ベーシストなのでけっこう売れっ子なのかと思っていたのですけど、一般的な知名度でいうとそんなにないかも?
彼のこれまでの活動というと、ここまでにあげた名前がほとんどですし、セッション的にいろんなミュージシャンと共演するという感じでもないようです。

2020年にリリースされたペトラ・ヘイデンのアルバム『Song for Petra』はジョン・ゾーンのTzadikレーベルからのリリースで、ジュリアン・ラージ(g)、ホルヘ・ローダー(b)、ケニー・ウォルセン(ds)というトリオがバックを務めていました。

ジュリアン・ラージもTzadikレーベルではもう常連なのですが、このトリオでの活動は今後増えそうな雰囲気ですね。
このジュリアン・ラージ・トリオにJ・ゾーンのサックスを加えた4人でNew Masada Quartetとして活動する予定もあるようです(それにしてもBagatellesもやっとスタートしたくらいなので、New Masada Quartetもアルバムリリースはぜんぜん情報がなくてかなり先になりそうですね。いまいちばん聴きたいグループと言ってもいいくらいなのですけど)

ホルヘ・ローダーも2021年にリリースされるゾーンの『Heaven And Earth Magick』に参加するなど、単体での出番も増えてきたみたいです。
Tzadikレーベルでベースといえばトレヴァー・ダンが独占という感じでしたけど、トレヴァー・ダンはエレクトリックがメインだと思いますし、「Tzadik盤のアコースティックベースといえばホルヘ・ローダー」という感じになるかもしれないですね。

リマ、サンクトペテルブルク、ボストン

ペルーという国がジャズが盛んという話は聞いたことないですし、実際にローダーがベースをはじめてニューヨークで活躍するまでに、かなり紆余曲折を経ているようです。
もともとは彼の母親が子どもたちに習わせようと気まぐれでギターを買ったのがきっかけとか。他の姉妹はすぐにギブアップしたそうですが、彼だけは止めたいと言い出せず渋々レッスンを続けたみたいです。
その後、彼の高校がペルーで初めて音楽教育プログラムを導入しローダーも申し込んだそうなのですが、ローダーの第一希望はアップライトベースだったにもかかわらず、サッカーのトライアウトをサボったため、サックスかチェロの選択を迫られ、しぶしぶチェロを選択したとのこと。

クラシックチェロは、サンクトペテルブルク国立音楽院に招かれるほど本格的に学んでいたそうですが、高校3年の時期に仲間と組んだバンドの経験からアップライトベースに転向したみたいですね。ポップスを演奏するのにチェロではお呼びがかからなかったのかも。
その後2002年に、奨学金を得てボストンのニューイングランド音楽院でジャズを本格的に学んだそうです

この時期に同じニューイングランド音楽院で学生だったのが、アルゼンチン出身のヴォーカリストであるソフィア・レイ。当時の音楽院で南米出身の生徒は数人しかいなかったようなので、同じスペイン語を話すということで親しくなったのでしょうね。

卒業後から現在までこの2人のコラボレーションは続いていて、ローダーはレイの全てのソロアルバムに参加して共同プロデューサーとしてクレジットされています。
ソフィア・レイのソロ・アルバムは参加メンバーも多くゴージャスな感じのラテンアルバムなので、ローダーのベースはそんなに目立っていないのですけどね。

レイとローダーは、2人で「Coplas Escondidas」というデュオを組んでもいるようです(アルバムリリースは無し)レイはヴォーカルとたまにパーカッションやチャランゴを担当しています。

レイの伸びやかな歌声とローダーの持つアフロ・ペルーの強じんなリズム感覚がミックスされた素晴らしいデュオだと思いますね。

ニューヨークに出てきたのは2007年からということで、2009年のセロニアス・モンク・コンペティションではセミ・ファイナルまで進んだそうです。
ちなみにこの時の受賞者は
1st Place: Ben Williams
2nd Place: Joe Sanders
3rd Place: Matt Brewer
トップは現在のトップベーシスト3人で「そういうものかな」という感想ですが、この年のセミ・ファイナリストには、ローダーの他にリンダ・メイ・ハン・オーやハリシュ・ラガヴァンなどもいて、なかなかハイレベルな大会だったみたいですね。

Jazz
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サナコレ