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ハフェス・モディルザデーの新作『Facets』が出るよ

去年はじめてその存在を知って、特に新作をリリースした訳でもないのにブログで取り上げたサックス奏者のハーフェズ・モディルザデ(Hafez Modirzadeh )ですが、彼の新作のニュースがPi RecordingのHPにアップされていました。

モディルザデのこれまでの活動などを書いた前回のブログ投稿はこちら

ニューアルバムのタイトルは『Facets』 リリースは2021年3月5日ということ
このブログ投稿時点では先行視聴のみでアルバム全体は未聴なので、リリースされたらブログ投稿は更新する予定です。

Personnels
Hafez Modirzadeh – tenor saxophone (2-5, 7, 10, 11, 13, 15, 17)
Kris Davis – piano (3, 4, 6, 9, 12, 16)
Tyshawn Sorey – piano (2, 5, 8, 10, 14, 17)
Craig Taborn – piano (1, 7, 11, 13, 15, 18)

基本的にはサックスとピアノのデュオ演奏で、クリス・デイビスとクレイグ・テイボーン、そして珍しいことにドラマーのタイショーン・ソーリーという3人が交替でピアノを弾くという構成になっています。

ソーリーはドラマーとしてもトップ5に入るくらい好きなドラマーですが、最近では自作曲をシアトル交響楽団とデトロイト交響楽団で演奏したりと作曲家としての活動も増えていますね。もともとはドラムだけでなくトロンボーン奏者だったとか。

モディルザデの活動は大雑把にいうとアラブ音楽と即興演奏の融合。
そのために、2012年のアルバム『Post-Chromodal Out!』ではピアノをアラブ音階に再チューニングするという試みを行っていました(この時のピアノはヴィジェイ・アイヤー)
今回の『Facets』は、『Post-Chromodal Out!』で行ったピアノの再チューニングという方法論をピアノとサックスのデュオという形でクローズアップしたようなアルバムとも言えます。
『Post-Chromodal Out!』に収録された曲はすべて「Facet」という1つの曲をさまざまなアレンジで演奏した変奏曲だったのですが、今回の『Facets』もアルバムタイトル通りこの時に演奏された「Facet」を新たなアレンジで再録したものになります。

『Post-Chromodal Out!』は残念なことにストリーミング配信は無いのですが必聴アルバムですね。

ピアノの微分音チューニング

このピアノの再チューニングというテクニックについて、モディルザデはインタビューでこのように語っています。

“平均律にチューニングされたピアノの音律は、演奏者や聴き手に影響力を与え、多くの人がこの音律以外の共鳴は存在しないと信じてしまうのです。これは不公平な価値観を生み出し、最終的には他の調律の可能性の発見を制限してしまいます。
世界の音楽に圧倒的な影響を与えている唯一の楽器であるピアノを調律し直すことで、音楽家はあらゆる調性の可能性を探求することができるのです。
このコンセプトは彼がもともと「クロモダリティ」と呼んでいたシステムの集大成であり、ペルシャの音色と西洋の平均律を融合させた和声の可能性を探るために開発されたものです。
このシステムではすべての音程が共存できるように進化し、音楽家はそれぞれの個性的な声で、文化的背景を問わず、あらゆる音色の可能性を探求することができるようになるのです”

というなかなかハイプな感じのコメントですが、ただ単にアラブ音階にチューニングするだけでなく、馴染みの平均律と異質なアラブ音階をピアノのパートによって混在させて神秘的な美しさを表現するといったかなり凝った仕掛けも行っているようです。

事前に楽譜は送られていたようですが、チューニングし直されたピアノを演奏するのはレコーディング当日だったようで、3人のピアニストにとってはかなりチャレンジングなレコーディングだったのかも。

またアルバムで目につく点として、セロニアス・モンクの “Pannonica “と “Ask Me Now “を取り上げているのですが、モンクの音楽についてクリス・デイビスは次のように語っています。

”モンクは、メロディの下の音を一瞬だけ微妙に加えることでピアノの音をベンドさせる効果を狙っていました。ハーフェズの調律システムと今回取り上げたモンクの曲との間にはつながりがあることがすぐに分かりました。
もしモンクがチューニングし直したピアノで弾かれた自分自身の曲を聴いたら、モンク自身も自分のピアノをチューニングし直すことを考えるだろうと信じています”

ということです(さすがにそれはないだろう、、)

Pi Recordingレーベルはコロナの影響なのか、明らかにリリースペースが落ちていますけど、このアルバムは外せないなぁということでリリースまで心待ちにしている状態です。

Jazz
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