DTF organ trio 『Another Side of the Sound』

「ファンク」や「ファンキー」という言葉は非常にやっかいだ
テレビで、年齢に似合わず革ジャンにサングラスをしている年配男性がいたら「ファンキーだ」と言われることもあるが、意味不明だ
そもそも本来の意味がどういうものかのかも不明だ

音楽に限ればもうすこしイメージが付きやすいが、例えば(最初期ファンクの例えに挙げられる)マイルス・デイビスの『On the Corner』を聴いて、ファンクを感じる人は稀だろう
さらに言えば(ファンクの代名詞である)ジェイムズ・ブラウンのCDを聴いてファンクを感じる人も(悲しいことに)稀だろう

ファンクは、ブルースのようにひとつの音楽形式なのだろうか?
もし今後「なにかこうファンキーでノリの良い音楽でおススメはないか」と言われた時にピッタリなのが、今回紹介するDTF organ Trioのアルバムでしょうね

メンバーは
Adam Deitch / drums
Ari Teitel / guitar
Sam Fribush / organ, synth, wurtlizer

オルガン奏者のSam Fribushは以前このブログでチャーリー・ハンターとの共演盤を取り上げました(非常に良いアルバムでした)

その時はコロナ禍で地元ノース・カロライナに留まっていたのですが、コロナが明けたいま、彼も仕事を求めて西海岸へと渡ってきたようです

アダム・ダイチは元lettuceのドラマーで、ジョン・スコフィールドと共演したりもしていますね。
アリ・タイテルというギタリストは初めて聞きました。

例えばLettuceのような日本では「レア・グルーヴ」みたいなくくられ方をしたグループがいわゆる「ジャズファンク」のイメージかもしれませんが、Medeski,Martin& Woodとかチャーリー・ハンターなど一部を除き、あまり聴くべきグループは少なかったかな、と

結局「ファンキー」のみでは飽きちゃう訳で、聴いてると「オッ、カッコいい」と思えるのですが、ワンパターンでアルバム一枚通して聴くのはツラい。
飽きちゃう。

一方で、今作はそういった「レアグルーヴ」的なアルバムとは全く別物

「ジャズファンク」という括りでいうと、このアルバムは私がこれまで聴いた中でトップクラス。後々まで語られるべきアルバムと思いますね

カッコよいだけじゃなく音楽的な「ひねり」というか「スパイス」の効かせ方が重要なんじゃないかと思うのですけどね
本作で「スパイス」の存在となっているのはフライブッシュの存在じゃないでしょうか

「レア・グルーヴ」と呼ばれたほとんどのグループは、なんかはスパイスが効いてなくて薄味だったと言えるでしょう
ジョン・マクラフリンとジョーイ・デフランセスコのグループなどはスパイスが効きすぎて、何か別の料理になったみたいなイメージです

このグループはおそらくアルバムのために作られたと思うので動画はあまり上がっていないですが、この動画ではサックス奏者が参加しています

このDTFでの活動が今後も続くのか、このサックス奏者が正式メンバー扱いになるのか分からないですが、サックス入りの編成でのアルバムも聴いてみたい気もします