パスクァーレ・グラッソ『Fervency』

ギタリストのパスクァーレ・グラッソPasquale Grassoの新作アルバム『Fervency』がリリース

今回はデビュー当時から多くの共演を重ねてきたアリ・ローランド(b)、キース・バッラ(ds)とのトリオで、グラッソのレギュラートリオともいえる編成です

今回も敬愛するバド・パウエルの曲を筆頭に、コールマン・ホーキンスやバリー・ハリスなどちょっとオールドスタイルな曲をとりあげています。
今まで自作曲は演奏しなかったのですが、このアルバムではタイトル曲『Fervency』など2曲の自作曲を演奏しています。

このアルバムは「チェロキー」みたいな早いテンポの曲を淀みなく弾ききるグラッソのギターの響きが心地よいですね
まさに「こういうグラッソのアルバムが聴きたかった」という内容でもありますね。

このスピード感というか疾走感は、今の(作曲重視の)ジャズにはない魅力だと思います

それにしてもこのサイトで、パスクァーレ・グラッソのことを初めて取り上げたのは2019年9月。もう5年以上も前になるんですね
2019年はまだ自身での名義でのデビューもしてなかったはず

彼がデビュー時にバックアップしたサマラ・ジョイはビッグネームになり、彼女つながりでグラッソの名前がオバマ・プレイリストに載ったりもしましたが、グラッソの名前じたいはあまり本国アメリカのジャズファンに認知されていないような気はしますね

サマラ・ジョイ(やLaufey)のように、トラディショナルなスタンダードをシンプルに演奏するというスタイルは、潜在的に求められているというか需要はあると思うので、グラッソとか(あとエメット・コーエンとか)はもっと注目されても良いとは思います

ただその一方、今のグラッソのように同じメンバーで同じようなスタイルの演奏を続けていると、世間の注目という点では薄れてしまうかも(キース・ジャレットのスダンダード・トリオみたいなのは例外中の例外でしょう)

前回と同じようなアルバムだとメディアで紹介もしづらいですからね
(今回のブログも正直、書く内容がない感じ)

もしグラッソ本人もし本人にその気があるなら、次のアルバムくらいに路線変更したアルバムを作ってくれるかもしれませんけどね
希望としてはもうちょっとインプロよりで、いまと違うスタイルのドラマーとの共演を聴いてみたい気はしますね(ベースは今の人でも良いかも)