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アメリカ最大の音楽ショーでもあったNFLスーパーボウル

今日は、全米が熱狂するアメリカンフットボールの優勝決定戦、スーパーボウルの日でした。

このブログは基本的には音楽の話題だけなのですが、今日だけは大好きなNFLの話題ができますね。

スーパーボウルはただのスポーツの試合じゃない

スーパーボウルは最も人気のスポーツイベントなのですが、いまやアメリカで最も注目を浴びるエンターテイメント・ショーになったとも言えます。
グラミー賞授賞式は約1800万人が視聴するのに対して、スーパーボウルははるかに多い約1憶人もの人が視聴しているのです。

2020年のグラミー賞はスーパーボウル開催の前週に行われたのですが、これは偶然ではありません。

アメフトは1月に入るとプレイオフ、チャンピオンシップといったスーパーボウル進出をかけた注目の試合が毎週末行われます。ただし、スーパーボウルの1週前は(お互いケガなどを治療し万全の状態で臨むため)試合がお休みとなります。
アメフトの試合と重なると誰も観ないため、グラミー賞授賞式はこのお休みの1週を狙って開催されていました。

アメフトはアメリカでは最強のテレビコンテンツであり、グラミー賞授賞式ですら対抗できないのです。

スーパーボウル ハーフタイムショー

スーパーボウルのハーフタイムに行われるショーも、かつてはマイケル・ジャクソンやプリンスが出演したり、その時代のメガ・ポップスターが出演するイベントです。

今年の出演者はジェニファー・ロペスとシャキーラ。


今年のハーフタイムショーについては、2019年の夏にジェイ・Zが率いるロック・ネイションがイベントプロデュースでNFLと提携し、結果として契約アーティストのジェニファー・ロペスとシャキーラが選ばれたのですが、この提携は当時は論争を巻きおこしていました。

ジェイ・Zはコリン・キャパニックの片膝付き騒動(後述)の時にNFLを批判して、NFLイベントへの出演ボイコットを呼びかけていたりしたんですよね。
ビヨンセと一緒にThe Cartersと名乗りリリースした「APESHIT」という曲では

「オレはスーパーボウルに”No”と言ってやった。ヤツらはオレを呼びたがるかもしれないが、オレにはNFLは必要ない。NFLに呼ばれなくてもオレはスタジアムをいっぱいにしている」

なんてNFLを攻撃するラップをリリースしていたのに、手のひらを返したようにNFLと提携するってどういうつもりなんだ?というわけです。

コリンキャパニックの片膝つき事件

これは2016年に起きた、サンフランシスコ49ersのスター選手だったコリン・キャパニックが、警察によるアフリカ系市民への発砲などを理由に、「こんなアメリカ国旗に敬意を表わすことはできない」と片膝をつき起立を拒否したことと、NFLがリーグとしてキャパニックにペナルティを課した騒動です。

トランプ大統領がこれに激怒して、日本でもニュースとなった騒動になりました。
リアーナはこの件に抗議して、2019年のハーフタイムショーを辞退したとも言われています。

以下斜体文字部はこのキャパニックの件に関して個人的な見解(NFLに興味のない方は飛ばしてください)
キャパニックの片膝つきによるアクションは、主張は別に非難されるべき内容ではなかったと思いますが、結局それをNFLのスタジアムでやったことが「場違いだ」という批判を浴びてしまったということにつきますね。そのため(数人を除いて)当のチームメイトやスタッフに広がることは無く、キャパニックもチーム内でかなり浮いていたのだと思います。

コリン・キャパニックは結局あの騒動のあと49ersから契約を切られ、いまだ未契約だということです。
この契約延長しなかったことに片膝騒動が影響したかというとちょっと違うかなとは思います(キャパニック本人は不当な扱いだということでリーグを提訴したようですが)

キャパニックはもともとアレックス・スミスという選手の控えでしたし、チームは勝っていたのでそのまま起用されていましたが、個人成績じたいを見るとそこそこの成績しか残していなかったことはわかります。30歳を超える年齢も契約延長のネックになったのでしょう。客観的にみても契約延長はなかったかな、と。
今年、キャパニックが在籍していた当の49ersがスーパーボウルに出場したということからも、当時の判断は正しかったと言えるのかも。

NFLはコーチに黒人が少ないなどポリコレ的な非難を受けることも多かったのですが、こういう声に対して一貫して強気の姿勢をみせています。
「NFLもとうぜん直すべき前時代的な部分はあるし、改善はする、ただし自分たちのペースで」ということなのでしょう。
その変革のスピードが十分かは議論があるとはいえ、いろいろな面で改善されていることは確かでしょうし。
今年の出場チームであるサンフランシスコ49ersには、トランスジェンダーのアシスタントコーチがいたようですが、こういうこともポジティブに考えてよいのかも。

裏切者ジェイ・Z

ついNFLの話が長くなるのですが、話を音楽に戻して
この当時、コリン・キャパニック支持を打ち出したミュージシャンは黒人ミュージシャンを中心に数多くいて、ジェイ・Zもそのひとりだったのですが、彼がNFLと提携したことは、ある種「裏切り」と受け取られたようです。

ジェイ・Z本人はこの提携について、簡単に言うと「この提携によってNFLを中から変える」みたいな良くわからない言い訳を言っている訳ですが(こちら)、はっきり言ってこれはジェイ・Zもカネに転んだと言っても良いのでしょう。

キャパニックの件もほぼ忘れかけられているし、ジェイ・Zとしても巨大コンテンツであるNFLとの提携を逃す手はないと思ったのでしょう。NFLにしてもキャパニックの件で悪くなったイメージを払拭できる良いチャンスだ、と。
まさにどちらもWin-Winです。

社会とか、正義とかではなく、すべてはビジネス。すべてはマネー。

キャパニックの騒動に対するNFLの態度が正しかったかは微妙ですが、ただ最初から態度は一貫していましたよね。
アメリカのセレブたちのふわふわと意見を変えるところはなんだかな、とは思います。
例えば「ジェイ・Zなら変化をもたらすことができる」みたいなテキトーな事を言っちゃうカーディ・Bとか

ミュージシャンのスーパーボウルコメント

とはいえ、裏話ばっかりしててもつまらないので、ミュージシャンのスーパーボウル結果についてのコメントをいくつか紹介しますね。

こちらは応援する49erが負けてがっくりのピアニストTaylor Eigsti
「カンサスシティーのみなさんおめでとう。私は25年待ちましたが、あなた達は50年も待ちましたものね」

こちらはベーシストのクリスチャン・マクブライド

「カンサスシティ―・チーフスのみんな、特にヘッドコーチのアイディー・リード、おめでとう!」
(マクブライドはフィラデルフィア出身で、アイディー・リードはずっとフィラデルフィア・イーグルスのヘッドコーチだったから)
あと、カンサスシティ出身の、パット・メセニーとボビー・ワトソンに「良かったね」と言ってる。

そして斜め上からのツッコミをいれるマイルス・オカザキ
「Cマイナーの曲なのにカポを6フレットに付けるって、シャキーラはいったいどうしたってんだ?」

 

雑談
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サナコレ