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若干21歳 期待の新人ヴォーカリスト サマラ・ジョイがデビュー!

サラ・ヴォーン・インターナショナル・ジャズ・ヴォーカル・コンペティション(通称Sassy Award)の2019年優勝者、サマラ・ジョイのデビューアルバム『Samala Joy』の紹介
彼女は2021年の5月にニューヨーク州立大学パーチェス校の声楽科を卒業したばかりで、まだ21歳という新人ヴォーカリストですね。

2019年というとこのブログを書きはじめたころで、マメにウェブニュースなどもチェックしていたのでサマラ・ジョイのことは良くおぼえているのですよね。
当時はサマラ・ジョイ・マクレンドン、もしくはサマラ・マクレンドンと呼ばれていて、小柄な体に似合わない深みのある声質が魅力的なヴォーカリストで、すごく印象に残っていました。

ただ、その当時は閲覧できる動画も数えるほどしかなくて、それ以上活動をフォローすることは無かったのですが、2年越しにやっとアルバムを聴けることになります。

アルバム参加メンバーはこちら
Samata Joy (vocal)
Pasquale Grasso(guitar)
Ari Roland(double bass)
Kenny Washington (drums)

このアルバムですが、なんといってもパスクァーレ・グラッソの参加が注目ですね。

サマラとパスクァーレはニューヨークのライブハウス(Mezzrow)で知り合ったらしいです。
パスクァーレはパーチェス校で非常勤の講師をしているので、そこでのつながりがあったのかもしれませんね。

その他のメンバーはというと、アリ・ローランドはパスクァーレ・グラッソのグループのレギュラー・ベーシスト。
ドラマーのケニー・ワシントンはパーチェス校で講師であることからサマラとは面識があったため、彼に参加をオファーしたそうです。

また、プロデューサーのマット・ピアソンはパット・メセニーやジョシュア・レッドマンなども手掛けた大物。
彼は現在、パスクァーレ・グラッソのプロデュースも行っていますね。
レーベルはWhirlwind Recordings

無名の新人ヴォーカリストのデビュー作というと、たいていはマイナーレーベルか自主製作盤に近い低予算のアルバムを作るのがパターンだと思うので、サマラのデビューアルバムは破格に豪華な人選だと思いますね。

サマラにはSassy Awardウィナーという肩書はあるのですが、Sassy Awardは基本的に無名の新人によるコンペなので、実際のところ優勝者がそのままプロとして活躍するかというとそういう訳でもないみたいです。
歴代優勝者にはジャズメイア・ホーンやシリル・エイメーなどがいますが、彼女たちが「Sassy Award優勝者の・・・」という紹介をされる事はあまり聞いたことありません。
(モンクコンペ優勝や入賞という紹介はよく聞きますが)
Sassy Awardというのは2012年スタートでまだ歴史も浅く知名度もあまりないことが大きいと思うのですが、サマラのような新人の活躍でSassy Award自体の知名度が上がるかもしれませんね。

そんな無名の新人であるサマラが、プロモーションも含めてここまで本格的なデビューアルバムを作れたかというと、大きな要因はFacebookで公開した『Take Love Easy』という動画のようです。

 

この動画は、パーチェス校がサマラをエラ・フィッツジェラルド奨学生に選んだ後に、財団への感謝の気持ちを込めてジャズ学科のピート・マリンバーニの伴奏でフィッツジェラルドの曲を歌った時の様子で、これが100万回以上再生されるという話題を呼んだようです。

さらに彼女はこの動画の拡散を足がかりに、デビューアルバム制作資金を集めるためにGofundmeというクラウドファンディングを立ち上げました。
当初は4000ドルの目標額でEPを制作する予定だったそうですが、予想以上の反響があったためフルアルバムを制作できるだけの金額(8000ドル)に目標額を上げ、それも難なく達成したということです。

こういったエピソードは、いかにも今風という感じですね。

アルバムに収録されている曲はマット・ピアソンとふたりで選んだそうですが、『スターダスト』のような超有名なスタンダード・ナンバーが多いです。
(クラウドファンディングを使ったとはいえ)予算と時間の限られるレコーディングでは必然的にスタンダード・ナンバー中心の選曲になりますね。
共演のパスクァーレ・グラッソはスタンダードナンバー演奏はスペシャリストなのでぴったりな人選と思うのですが、たまたま彼のようなミュージシャンが身近にいたのも、サマラはラッキーというか「持ってる」のでしょうね。

サマラは、すでにセカンドアルバムのコンセプトについても話し合っているそうです。
「できるだけ多くの経験豊富な人たちと一緒に演奏して、できるだけ多くのことを学びたいと思っています。一緒にプレイするのが大好きなエメット・コーエンやビル・チャーラップみたいな」とのこと。
エメット・コーエンは自身の動画チャンネルやライブでサマラと頻繁に共演していますし、ヴェロニカ・スウィフトの『This Better Earth』でも聴けたように素晴らしい伴奏をするピアニストなので、ふたりが共演したらこれも聴いてみたいですね。

余談

サマラがインタビューで「これまでで最も印象的なライブ」として、Dizzy’s Club of Jazz at Lincoln Centerでのバリー・ハリスとの共演を挙げていました。
「一生に一度の機会であるこの夜は、教室で学ぶ以上のことをしてくれた特別なもので、絶対に忘れられない夜になりました」とのこと。

バリー・ハリスはパスクァーレ・グラッソのメンターでもあるので、こういったところでもサマラとパスクァーレのつながりがあったのかも。

 

Jazz
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