メアリー・ハルヴォーソン『Cloudward』

2024年にリリースしたアルバムで一番初めにブログに書くのがこのアルバムというのはうれしい。

ギタリストのメアリー・ハルヴォーソン(Mary Halvorson)が、2022年にリリースした『Amaryllis』のメンバーを再び召集して作ったアルバムが2ndアルバム『Cloudward』
前作に引き続きNonesuchレーベルからのリリースです。

『Amaryllis』はその年の年間ベストアルバムの1位に選ぶほど好きなアルバムだったのですが、この時のメンバーがAmaryllis Sextetという名前がつき正式なグループとなり、2ndアルバムの制作につながったようです
このAmaryllis Sextetが(かつてのCode Girlのように)、ハルヴォーソン自身がリーダーのメイングループになったということなんでしょう。

メンバーはこちら
Mary Halvorson(guitar)
Patricia Brennan (vibraphone)
Nick Dunston (bass)
Tomas Fujiwara (drums)
Jacob Garchik (trombone)
Adam O’Farrill (trumpet)

『Amaryllis』のリリース準備を進めている時期はまさにパンデミックの最中で、予定されていたライブなどがキャンセルされた時期だったそうで、そのため『Amaryllis』はハルヴォーソンの作曲とアレンジが前面にでた作品だったように思います。

その反面、今回のアルバムでは事前のライブも行える状況だったために、ライブを経て演奏もブラッシュアップされた中でレコーディングに臨めたよう。
そのためかわからないですが、全体をハルヴォーソンがコントロールしていた印象の前作と違い、今回の『Cloudward』は各ソロイストがより目立っている印象ですね。
各メンバーが順にソロをとっていき、ベースとドラムはそのソロをボトムから支える。

それっていわゆるジャズっぽいといえばその通りかもしれませんけどね。ハルヴォーソンはあまりそういうのを気にしていないのかもしれません。
(特にこのブログではプッシュしてきたつもりの)パトリシア・ブレナンのヴィブラフォン・ソロはきらびやかですし、ガーチクとオファリルの2管の絡みもカッコいいですね。

トマ・フジワラのドラムも相変わらず良いですね(彼が参加していたらこのブログでは毎回褒めるようにしているのですけど)
特にスローテンポの曲や静かな場面でも、小気味よく軽快にグルーヴさせてるのはさすがです。

いまのジャズの世界で固定メンバーのグループってあまりないかもしれないですが、Amaryllis Sextetはあと何作でも続けて欲しいものです

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