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Jazz meets India タブラを起用したジャズアルバム

どうも紗奈です

わたしはジャンルでいうとジャズとワールドミュージックを良く聴いているのですけど、ワールドミュージックの中ではインド音楽が1番好きなジャンルかもしれません。
たまにジャズとインド音楽のミュージシャンが共演するアルバムがありますが、こういう共演アルバムがかなり好きなので今回のブログはそのうちいくつかを紹介します。

タブラという楽器

ジャズとインド音楽の共演で多いのは、ドラムの代わりにタブラ奏者が参加するというパターンですね。

ジャズファンであれば、ジョン・マクラフリンのShaktiに参加したザキール・フセインとか、マイルス・デイビスやオーネットコールマンのアルバムに参加したバダル・ロイなどのタブラ奏者の名前を聞いたことがあるんじゃないでしょうか。

タブラというのは北インド音楽で使われる大小ふたつの太鼓を使うパーカッションです。
小さい方の太鼓は高音を受け持っているのですが、固く張った皮のリムを叩くことで鳴るクリアな音がタブラの特徴であり、1番の魅力。(タブラでいう「Na」の音)
さらに皮のどこを叩くかで(7種類くらい?の)いろんな音を出せます。
普通のパーカッションは「オープン」「クローズ」「リム音」くらいなので、それに比べても断然タブラは多彩な音の組み合わせが可能です。この多彩な高音側の音と低音側の太鼓と組み合わさると、さらに複雑になっていきます。
この音のバラエティの多さ、豊かな表現力というのがタブラの特徴ですね。

またタブラは「ピッチ感」があるのが特徴ですね。高音側の音は演奏前に入念にメロディ楽器のベース音とチューニングを合わせます。
インド音楽は演奏時間が長いので演奏途中にチューニングが外れることもあって、そんな時は曲の途中でチューニングをしちゃうこともありますね。

ジャズミュージシャンがタブラと共演しようと思うのは、多分こういうピッチ感のあるパーカッションを使いたいからなんだろうなぁ、と勝手に想像しています

それでは、個人的に好きなタブラ入りのジャズグループの紹介です

Ned Rothenberg’s sync 『Port Of Entry』

Port Of Entry (CD, Album) アルバムカバー

Personnels
Ned Rothenberg  (alto saxophone, clarinet)
Jerome Harris  (guitar, acoustic bass)
Samir Chatterjee  (tabla, dumbek ,percussion)

クラリネット・サックス奏者、ネッド・ローゼンバーグが結成したトリオ。
この編成で、『Port of Entry』の他にも『Harbinger』というアルバムと、 Mark FeldmanとErik Friedlanderの2人をゲストに迎えた『Inner Diaspora』というアルバムをリリースしています。
(ストリーミングは無し、あしからず)

サミール・チャタルジーというタブラプレイヤーはあまり名前を聞かないのですが、アメリカに移住してタブラの先生をしたりしている人のようですね。
インド音楽古典の世界ではけっこう名の通った人のようです。

アルバム全体を聴いても割りと前もってカッチリ準備されていたような演奏で、インド音楽にあるようなインタープレイは少なめ。
タブラ演奏もインド古典音楽みたいにハデに叩くのではなく、それぞれお互いのジャマをすることなく、アンサンブル重視の淀みない演奏ですね。

Bela Fleck, Zakir Hussain & Edgar Meyer『The Melody of Rhythm』

Personnels
Bela Fleck   (banjo)
Zakir Hussain  (tabla)
Edgar Meyer  (bass)

こちらはタブラ界のマスターZakir Hussainが、バンジョーのベラ・フレックと共演したアルバム。

Zakir Hussainは今年、サックスプレイヤーのクリス・ポッター、ベーシストのデイブ・ホランドとのトリオでアルバムリリースするようなので、こちらも要チェックですね。
Zakir Hussainのタブラの魅力はスピード感とグルーヴとよく言われます。このアルバムでもところどころ複雑な高速フレーズも聴けるのですが、まだまだ余裕そうなところが驚異的ですね。

Vijay Iyer Trio 『Tirtha』

Personnels
Vijay Iyer  (piano)
Prasanna  (guitar)
Nitin Mitta  (tabla)

ヴィジェイ・アイヤーはインド系のジャズピアニスト。

通常はピアノ・トリオやカルテット編成でオーセンティックなジャズを演奏する人なのですけど、この『Tirtha』というアルバムでは、いつもと趣向を変えて南インド生まれのミュージシャン2人とトリオ演奏でレコーディングしています。
アイヤーは両親がタミル語圏からの移民、生まれはアメリカというインドルーツのピアニストで、若い頃はイェール大学で物理学を習ったりとなかなかのインテリな人みたいですね。 今ではハーバードで音楽とアートを教えたりしています。

アイヤーは、もはや現代ジャズの最重要人物、別格的な人ですね。

よく彼のtwitterを読むのですが、コメントも長文で何か知的な感じです。(政治に関するツイートとかも多くて、行政に関する専門用語とか多くて良く意味がわかりません、、)

共演のPrasannaというギタープレイヤーも南インドのカルナータカ音楽のミュージシャンのようです。
ジャズギターのイメージは全然違いますね。
音色とかも、リメンバー・シャクティのU Srinivasっぽいかもしれません。

アイヤーの演奏も(インド音楽の音階を使うなどもなく)あくまで西洋音楽のイディオムで演奏されているようです。
ジャズとインド音楽がうまく交じり合わない感じが独特の緊張感を生んでいますね。

Rudresh Mahanthappa’s Indo-Pak Coalition ‎『Apti』

Personnels
Rudresh Mahanthappa  (alto sax)
Rez Abassi  (guitar)
Dan Weiss  (tabla)

ヴィジェイ・アイヤーと同じインド系アメリカ人で、アイヤーとの共演も多いサックスプレイヤーのRudresh Mahanthappaのグループ。
パキスタン系のギタープレイヤーRez Abassiとドラマーであるダン・ワイスによるプロジェクト。

Dan Weissはタブラが本職じゃなくて本職はドラマーなのですけど、10代の若いころからタブラやフレームドラムなども習っていたようです(彼のタブラの先生はNed Rothenberg`s Syncに参加していたのSamir Chatterjeeとのこと)
インド音楽のターラと呼ばれるリズムサイクルなどを自身のドラムプレイにうまく取り入れていますね。

タブラを叩く時もタブラオンリーじゃなくてタブラを叩きながら左手でドラムも叩くなどの使い方が多いようです。トリロク・グルトゥスタイルですね。

このトリオですが、トリオという音のスペースが多い編成のなか、そのスペースを埋め尽くすようにRudresh Mahanthappaが絶え間なく吹き倒すという、なかなか荒々しいスタイルで聴いてて爽快ですね。