Kefayaは、イタリア人ギタリストGiuliano Modarelliと、イギリス人キーボーディストAl MacSweenのふたりによるイギリスをベースに活動するプロデューサーチーム。
デビュー作『Radio International』に続く2枚めのアルバムになるのですけど、前作でも参加していたアフガニスタン人シンガーのElaha Soroorが共同名義でクレジットされていて、大きくフィーチャーされています。
アフガニスタン系シンガー Elaha Soroor
まずなんと言ってもElaha Soroorのヴォーカルが素晴らしく、このアルバムの1番の聴きどころですね。アフガニスタンはもちろんイスラム文化圏なのですけど、あまりイスラム圏のヴォーカルにありがちな過剰な節回しはなくサラリとのびやかなポップスっぽい歌です。
Elaha Soroorはプロフィールに「ハザラ人女性歌手として初めて全国放送のテレビ番組に出演した」とありますが、この動画がそうなのかな?アフガニスタンのテレビのオーディション番組のようで、彼女もまだ10代?なのか若いですね。
アコースティック・フォーク、ダブ、インド音楽、(たまにフラメンコ)
彼らのようなプロデューサー指向のミュージシャンがワールドミュージックというかルーツミュージックを演奏すると、いろんなジャンルの音楽を演奏することが多いのですけど、彼らもその例にもれず多くのジャンルを横断した演奏を行っているようです。
聴いた印象からジャンル分けすると、アコースティック・フォーク、ダブ、インド音楽、(たまにフラメンコ)といったところ
Kefayaのように、自分のルーツではない国の音楽をベースに作った無国籍っぽい音楽はたくさんありますが、あまり面白くない演奏が多いように思います。例えるならエクトル・ザズーみたいな感じ。
特に個々のプレイヤーの演奏があまり伝統音楽に根ざしていないように感じられて、どうしても「ニセモノ感」がただよっている気がしてしまう。
その点、Kefayaがいろんな国の音楽の音楽を演奏しながらもしっくりハマっているのは、二人のプロデュース力というより集めたメンバーのテクニックによるところが大きいような気もします。
Elaha Soroorのヴォーカルももちろんそうだし、タブラのGurdain Rayattなどはインド古典音楽のフェスでタブラソロを演奏するガチのプレイヤーです。
次回作はNicki Wellsが良いな
Elaha Soroorのヴォーカルは魅力的なのですけど、アフガンのフォークソングをベースにした歌は個性的である反面、いろんなスタイルを歌い分ける訳でもないので、今後もElaha Soroorとのコラボがメインになるかといえばそういう訳ではなさそう。
もし次のアルバムでフィーチャーするなら、Nicki Wellsが良いな。
彼女はイギリス人ながらインド古典声楽をベースにしたヴォーカリストで、Kefayaとは前作『Radio International』で1曲共演したので可能性はありますね。