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私たちのアリーシャ・キーズが帰ってきた『Alicia』

アリーシャ・キーズの7枚目のアルバムのタイトルは『Alicia』
自分の名前をタイトルにしたアルバムはキャリアの中でいちどしかリリースできないのですけど、2020年代のはじめにこのタイトルを選んだということは「新たなスタート」ということなのでしょうかね。

グラミー賞を15回、トータルアルバム売上4000万枚を売り上げた正真正銘のスター。
あまりこのブログでは彼女のようなメガスターはとりあげていないですけど、やっぱり彼女は別格だし特別。

「アルバム売上」と「アーティストとしての評価」というふたつを、アリーシャ・キーズほどハイレベルに両立させた人って彼女以降にはいないんじゃないでしょうか。
ビヨンセとかレディ・ガガはもう品が無いし、アデルは貧乏くさいし、、まあテイラー・スウィフトくらいがそう言えるかな(個人的な意見)

ただ、世間的にはアリーシャ・キーズの評価ってどういう感じなんでしょうね。

華々しくデビューしてヒット曲を連発してトップアーティストに登りつめた2000年代、結婚とそれにまつわるゴシップから迷走して、作品的にも低迷してしまった2010年代、という印象なのでしょうか。

特に前作2016年『Here』は世間的にはイマイチな評判だったみたいです。Spotifyの人気曲に『Here』からは一曲も選ばれていませんし。
前作が不調なうえにそもそもリリース間隔が長い人だから、いまでは急速に「過去の人」になりつつありますように感じます。

今作「Alicia」は(新型コロナが無ければ)当初は2020年3月にリリース予定だったらしいです。
彼女は、2020年1月末のグラミー賞授賞式のMCを務めたのですが、これはアルバムプロモーションの意味もあったはず。
グラミーの司会は「アリーシャほどの最高のアーティストでもこんなことをやらされるのか」とモヤモヤした記憶はあります。
しかもそこまでしたのに、グラミー委員会の不正の話題やNBAのレジェンドプレイヤーであるK・ブライアントの事故などで華やかなお祭りムードは吹き飛んでしまいました。

私たちのアリーシャが帰ってきた

そういう状況でもあるので期待半分、不安半分で聴きはじめた『Alicia』
冒頭に地味でキラキラ感のない曲が続いて「これ、ヤバいかも、、」とヒヤッとしたのですが、中盤以降は「これこれ、こういうアリーシャが聴きたかったんだよ」というレベルの高い曲が続くようになります。

アルバム全体に”feat.〇〇”みたいな感じの曲が並んでいて割と曲ごとのカラーも違っていて、トータルアルバムとして聴く感じではないようです(もうそんなのは時代遅れなんでしょうし)
ただ、おおまかにはイマ風のチルいバックトラックが続くアルバム中盤から、シンプルなピアノとコーラスをメインにした終盤に移るという構成になっているみたいですね。

いや、でも良い曲がたくさんあると思います、今作は。

特に
アリーシャの伸びやかなハイトーンボイスが素晴らしい3曲目「Authors of Forever」
シングルカットされた5曲目「Underdog」
ドラマチックな展開でポジティブな気分になれる11曲目「Love Looks Better」
あたりは名曲だと思いますね。

正直、アリーシャがアメリカ音楽シーンのメインステージに戻ることはもう無いと思いますけど、そんなことは関係ないじゃないですか。

こうやって彼女は素晴らしいアルバムを手に戻ってきてくれたのだから。

 

Rock/Pops
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