このアルバムは、2006年9月に行われたジャズ・アット・リンカーン・センターのローズ・ホールで行われた「ウィントンとルイ・アームストロングのホットファイブ」と名付けられたライブ・コンサートの模様を収録したもの。
ホット ファイブとホット セブンとは、1925 年から 1929 年にかけてジャズの即興演奏の言語とスイングの概念を変革した、アームストロングの 2 つのセンセーショナルなレコーディング バンドのこと
トランペットの他に、クラリネット、トロンボーン、バンジョーなどの楽器が当時の典型的なニューオーリンズのジャズバンド編成ということらしいです。
ルイ・アームストロングの当時の演奏は、スイングするリズム、フレーズの多様性、フィーリングなど、ジャズの重点を創造的なソロ・インプロヴィゼーションに置くと言う点で画期的であり、ジャズ史上最も影響力がありながらもこれまで見過ごされてきた、とウィントンは評価しているようです。なるほど、なるほど。
このアルバム以降もウィントンはたびたび当時のアームストロングのナンバーをライブで取り上げていますね。
もう少し最近の演奏もあるはずですが、なぜこの2006年のライブをいまリリースするのかよくわかりませんが、いまをときめくジョン・バティステがピアニストとして参加しているというのは貴重かも。
ただ、本作はライナーノーツがウィントンのHPから読めるのですが、ライナーではバティステのことは全く触れられず、写真にも写っていませんが、、
それにしても、こういうアルバムがいわゆる世間一般が思っているウィントン&JALCの演奏なのでしょうね。
そしていわゆる一般のジャズファンがウィントンを敬遠する所以でもあるのだと。
ジャズの歴史や過去の遺産の重要性を説くウィントンの姿は、多くの人には、本当に重要な音楽とはあなたがいつも好んで聴いているその音楽「ではない」とNoを突きつけられる気がするのかもしれません。
普段からルイ・アームストロングを好んで聴いているジャズファンってほとんどいなさそうだし。
でもそういうのを「まあウィントンってそういう人だから」と割り切ってしまえば、本作などもすごく楽しんで聴けるのですけどね。
こういう暑苦しくないブルースの方が自分は好みかも。
あ、あとこのアルバムでもウィントンが歌っているのが聴けます。
トランペッターは歌も上手い人が多いと良く聴きますが、ウィントンは別に歌はそんなに上手くはないとは思いますけどなかなか良い声だと思いますね。
この動画は2012年のライブ。ピアノはもうダン・ニマーに変わっています。