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カヴィタ・シャー(Kavita Shah)『Visions』(2012年)

ふだんは新譜の感想中心のこのブログですけど、今日はすこし前のアルバム。
ヴォーカリスト、カヴィタ・シャー(Kavita Shah)のアルバム『Visions』(2012年)の紹介です。

カヴィタ・シャーはインド系ニューヨーク生まれのヴォーカリスト。
狭間美帆さんのアルバム『Dancer in Nowhere』(2019)のうち2曲でクレジットされていますので、そこで名前を聞いたことのある人も多いかも。
実はこのアルバム『Visions』にはストリングアレンジで狭間美帆さんが参加していて、ふたりはかなり前から交流があったようです。

カヴィタ・シャーさんはスペイン語、ポルトガル語、フランス語さらには西アフリカのヨルバ語にまで堪能で、ハーバード大学ではラテンアメリカの音楽と政治の研究を行い在学中に賞を取るなど、アカデミックな研究者としてかなり本格的な経歴を持っていた人のようですね。
5歳からクラシックピアノを習ってはいたそうですし、ハーバードでの研究も音楽専門という訳ではなかったようですが、ハーバード卒業後に本格的に音楽の道へ進んだという異色の経歴の持ち主ですね。
きっかけはニューヨークの地下鉄でたまたまジャズヴォーカリストのシーラ・ジョーダン(デューク・ジョーダンの元妻)と出会ったことらしく、その後に Manhattan School of Musicに入学してジャズヴォイスを学んだそうです。
狭間美帆さんとカヴィタ・シャーさんはほぼ同じ時期に Manhattan School of Musicに在籍していて、同じ先生(Jim McNeely) に師事していたりするようなので、おそらくここで面識があったんじゃないかな。

カヴィタ・シャー『Visions』

このアルバム『Visions』はストリーミング配信は無し。ただし彼女のオフィシャルYouTubeチャンネルで全曲公開されているようです。
アルバムのメンバー編成に近いライブ動画はこれくらいかも。

Personnels
Kavita Shah (vocal)
Bass – Linda Oh
Drums – Guilhem Flouzat
Guitar – Michael Valeanu
Guitar, Voice – Lionel Loueke (tracks: 1, 9, 14)
Kora – Yacouba Sissoko
Percussion – Rogério Boccato* (tracks: 1, 3, 9, 14)
Piano, Electric Piano – Steve Newcomb*
Saxophone, Flute – Steve Wilson (2) (tracks: 5, 6, 8)
Tabla – Stephen Cellucci
Conductor – Miho Hazama
Viola – Nick Revel
Violin – Curtis Stewart, Tomoko Omura
Cello – Will Martina

カヴィタさんはスペイン語/ポルトガル語を流暢に話すこともあり、アルバムでもラテンっぽい曲も多いです。ジョビンの「Triste」という曲のカバーもあり。
このアルバムはそういうラテンっぽい曲に加えて、S・ワンダーの「Visions」、ジョニ・ミッチェルの「Little Green」、ウェイン・ショーターの「Deluge」、インドのラーガといった様々なテイストの曲が取り上げてられていて、このちょっとひねった選曲も楽しいアルバムです。

彼女自身のヴォーカルも、さまざまなジャンルを変に色付けせずにストレートに歌っているところがすごく好感が持てます(たまにカラオケっぽくなるところもありますが、、)

参加メンバーを見ると、西アフリカのコラ、南米のパーカッション、インドのタブラといった様々な民族楽器が特徴的ですね。
こういういろんなジャンルを(なかば強引に)ミックスするというコンセプトは最近はあまり流行らないのだと思いますけど、このアルバムに関してはセンス良く使われていると思います。
よくあるつまらないエスニック・フュージョンっぽくはなっていなくて、この辺はプロデューサーはリオーネル・ルエケのセンスなのかも。

アルバム後半にはインド古典スタイルの曲にも挑戦しているのですが、これもアレンジされていてガチの古典じゃない感じ。カヴィタさんはインド系の方ですが(アルバムを聴いた限り)おそらくインド古典音楽の本格的なトレーニングは受けていないと思いますし。

We Have Voice

彼女は、マイノリティミュージシャンの権利のための活動団体We Have Voiceのメンバーです。
今回の彼女のアルバムを改めて聴いたのは、ちょうど前回のブログで取り上げたデイブ・ダグラスのアルバム「Overcome」に参加している、同じくWe Have Voiceメンバーのフェイ・ビクターの名前をみたのがきっかけ。
このアルバム『Visions』でベースを弾いているリンダ・オーもWe Have Voiceのメンバーのひとりですし、メンバー間の共演というのはけっこうあるようです。
カヴィタさんの最近のライブでは、同じくメンバーで南インドパーカッション奏者のRajna Swaminathanと共演したりもしていますね。

雑談
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サナコレ