BONNIE PINK / ボニー・ピンク 『Infinity』

 

BONNIE PINKの通算13枚目のオリジナル・アルバム『Infinity』
前作『Chasing Hope』からは11年ぶりとなるオリジナル・アルバムとのこと。

ううーん、Jポップじゃないですか。Jポップ。
このブログでJポップアーティストについて書くのは初めてですね。
もしかすると今後も書くことないんじゃないかもしれませんが。

普段Jポップは聴かないのですが、ボニー・ピンクは大好きなんですよね。
例外というか別格というか。

音楽を聴きはじめた時に好きになったアーティストのひとりでもあるのですが、好みが変わりだんだん聴かなくなるアーティストも多いなか、彼女のアルバムは今でも良く聴きます。
ほとんどCDで持ってるんじゃないかな。

そんな彼女のこれまでの作品ですが、大きく分けると2つに分けられるのだと思います。

ひとつ目の時期は、トーレ・ヨハンソン・プロデュースに代表される洋楽志向の初期作品。
アルバムでいうと『Let go』くらいまで。

この時期の作品は、ボニー・ピンクの評価を決定づけたいま聴いても色褪せることない作品群ですね。
今回あらためて聴きなおしてみると、ローファイな音作りと、彼女の現在より少しやさぐれた感じの歌い方が印象的ですね。

この時期の最後となる『Let go』は異色作ですかね。
R&Bっぽい要素とフォーキーな要素がせめぎ合うところは、ボニー・ピンク本人とプロデュースのミッチェル・フルームの好みの違いが出ているんだと思いますけど、この微妙なバランスが儚いアルバムです。
でもやっぱりチャド・ブレイクにも参加してもらいたかったですよね。
(依頼は当然しようとしたそうですけど、「チャドは無理だよ。彼はいまパールジャムのアルバム(『binaural』)をプロデュースしているから」と言われたとか)

もうひとつの時期は『Just a Girl』以降の、一般的な知名度が上がり、よりJポップ寄りできらびやかなアレンジが施されるようになった時期。

シングルカットされた曲がCMなどのタイアップされるようになり、アルバムの中で「シングルカット曲とそれ以外」と明確に分かれるようになった時期でもあります。
曲ごとにプロデューサーを変え、ロックやフォーク、ジャズファンクっぽい曲までジャンルの振り幅が広くなり、アルバムとしての統一感というものは希薄になってきた時期であるのかも(ディスってるわけじゃないですが)

そして今回のアルバム『Infinity』
アーティストにとっては11年という歳月はとんでもなく長く、「過去の人」になるに十分な期間だったと思います。

わたしにとっては「あの」ボニー・ピンクが帰ってきてくれるだけでもうれしいのですが、それだけにとどまらず今作はかなり良いアルバムだと思います。
全て2~5分台の曲で、全体的にミッドテンポの少しフォーキーなロックサウンドの曲が多いですね。

シングル曲の「Like a Tatoo」
海外からのコメントがすごく多いですね!

ボニー・ピンクはカヴァー・アルバム『REMINISCENCE』(2005)があるのですが、この中でバングルズ、エイミー・マン、プリテンダーズなどをカヴァーしているのですよね。
今回のアルバムは彼女のここらあたりの好み(中でも特にエイミー・マンとか)を反映しているんじゃないかと思うのですよね。

ボニー・ピンクの魅力はなんと言ってもその声ですね。

喉をキュッとしめた感じで出すのびやかな高音は他にヴォーカリストにはない魅力じゃないかと思うんです。
(ビヨンセでも誰でも良いですが)喉をがっつり開いて歌う欧米のR&Bシンガーとは、根本的に別物のヴォーカルじゃないかと。

インタビューで前作から11年かかったことを聞かれた彼女は

シャーデーのアルバムが8年ぶりに出たときに、「たっぷり休みはったねえ」と笑っていたんですけど、気付いたらそれを超えていた(笑)。

と言っていたそうですけど、シャーデーみたいに次のアルバムまでまた長い期間が空くなんてこと、ないよね?

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