コロンビアの新世代2人組 リゾマジック(Rizomagic) !

今回はコロンビア出身のエレクトリック音楽デュオ、リゾマジック(Rizomagic)のデビューアルバム『Voltaje Raizal』

ワールドミュージックファンおなじみの雑誌Songlinesで取り上げられていて気に入ったアルバムです。

リゾマジックについては、現時点ではネットにもあまり情報が無いのですよね。Disasters By Choiceというイタリアのかなり小規模レーベルからリリースされているからかもしれませんが。

オフィシャルの紹介文によると、リゾマジックは、コロンビアのポップ・クンビアバンドNiño Puebloへ参加しているディエゴ・マンリケ(Diego Manrique)と、エスノ・アフロビートなジャズグループDorado Kanduaのエドガー・マルン(Edgar Marún)という、ボゴタのオルタナティブ・シーンで活躍する2人によって結成されたエレクトリック・デュオとのこと。
基本的にはサンプリング音を使ったループベースの音楽ですね。

ふたりが過去に参加したグループ、Niño PuebloとDorado Kanduaはストリーミングで音源を聴くことができるのですが、基本は生楽器演奏を中心としたラテン・ポップソングを演奏するグループで、どちらもリゾマジックとはかなり方向性の違うグループだったみたい。

リゾマジック は、サンプリング音に民族音楽、ピコピコいう8bitゲーム音、自然環境音などさまざまな音を使い、それが目まぐるしく移り変わっていくさまは、ファニーでありながらもどこかひねくれた雰囲気ですね。
彼らの音楽性を他のアーティストに例えるなら、Stock, Hausen & Walkmanやマトモスなどが近いイメージかも。

オフィシャルの解説文には「たとえばマリのバンバラ民族の音階と、ガーナのパームワインギターが使われている」ということで、アフリカ音楽に強いこだわりを持って作ったアルバムではあるようです。
その言葉にあるように、アフロ・ラテンのポリリズミックなグルーヴと、そこに絡まるチープで呪術的なシンセ音が、なんとも言えないトランス感・サイケデリック感を醸し出しています。

この、プランダーフォニックス的な音使いとアフロ・ラテンのリズムの組み合わせ、というのがこのグループの最大の面白さですね。

コロンビア発のコンピューターミュージックとしては、一般的にはデジタル・クンビアが有名みたいですね。そういったカテゴリでは、このブログでもKaleemaというアーティストについて書きましたが。

コロンビアのボゴタ出身ということで、リゾマジックもそのカテゴリに入れている紹介文もチラホラ見かけるのですが、アルバムを聴く限りはデジタル・クンビアとはかなり違っていて、そういったシーンとはあまり接点のない音楽だと思いますね。

リゾマジックのパフォーマンス動画を見ると、彼らの演奏はコンピューターソフト(Ableton Liveというソフト)をコントローラーで操作しているようです(動画にはAkai APC-40 mk1という、Ableton Live用のレガシーなMIDIコン使ってました)

Ableton Liveというソフトは、パソコン画面上に素材音源を並べて、それをリアルタイムに足したり引いたりする(ダブ的なとも言える)制作スタイルに特化したソフトなのですが、リゾマジックのような音楽は良くも悪くもこのソフトの特色が色濃く出ているな、とは思うのですよね。
作業が手軽に行えるので、トライアンドエラーを繰り返すことでぴったりハマる音を選び出せる、という点がこういう制作手法の強みですね。
「そんなやり方で良いなら時間をかければ誰だってできるじゃないか!」 と思うかもしれないですが、誰でもはできないんですよね、これが。

彼らはリミックス曲などもリリースしていて、けっこうクラブ向けを狙ったグループみたいなんですよね。
個人的にはクラブでかかるような音楽はあまり好きじゃないのですけどね。EDMは全部同じに聴こえるし、ハウスは味気ないし、フューチャー・ファンクはカラオケだし、ヒップホップは怖すぎるし。

でもリゾマジックみたいな音楽がかかるクラブなら行ってみたいかも。