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Lamia Yared & Invités 『Chants des Trois Cours』レビュー

2019年リリースのアラブ系音楽シンガー、ラミア・ヤレドのファースト・ソロアルバムです。イギリスの雑誌Songlinesでかなり評価が高かったようです。

ラミア・ヤレド(Lamia Yared)はレバノンで生まれ、カナダのモントリオール育ちのヴォーカリスト。

ワールド系音楽って、ブラジル音楽とかアイリッシュ音楽とかは本国で活動しているミュージシャンが海外に紹介される機会もあるのですけど、中東・アラブの音楽というのはなかなかローカルミュージシャンを知ることができないですね。
やっぱり西洋中心のメディアの壁というものがありますので。

海外に紹介されるのは、どうしてもこのラミア・ヤレドさんのように海外を拠点に活動している人限定になりがち。

Lamia Yared & Invités 『Chants des Trois Cours』

Personnel
Reza Abaee  (Ghaychak)
Didem Başar (Kanun)
Nazih Borish (Oud)
Noémy Braun (Cello)
Joseph Khoury (Riq)
Jérémi Roy  (Bass)
Ziya Tabassian (Tombek)

彼女は自身のルーツを探るべくギリシャ、トルコ、レバノンなどの各国を旅し、ムワシャハットと呼ばれるアラブ歌曲やトルコ伝統音楽など、中近東の音楽とウード(という弦楽器)を学んだそうです。
2013年ごろからカナダを中心に民族音楽系のフェスなどに出演したり、アムネスティやカナダ移民局のイベントに出演したりもしているとのこと。

わたしがいつも聴いているようなインプロはほとんどなく、古典の曲をカッチリと決められたアレンジで演奏し、アンサンブルの豊かさを聴くタイプの音楽なのだと思います。

レバノンの歌手というとフェイルーズが有名なのでしょうけど、発声のしかたなどなんとなくフェイルーズを思わせるところもあります。
あれがアラブ音楽のスタンダードな歌唱なんでしょうかね。ラミア・リアドさんの歌い方はあまり情感を全面に出さすにサラリと軽やかに歌う感じです。
バンドとの一体感を重視したアンサンブル重視の歌というか。

特筆すべきはバックメンバーの素晴らしさ。このアルバムの聴きどころです。
アラブ音楽のオーケストラ並みにゴージャスなアレンジとは違い、小編成で室内楽的。「Uşşak Semai」などインストゥルメンタル曲もありますが、微分音を含む楽曲をバシッと淀みないアンサンブルで聴かせる各メンバーの技量はすごいのひとことです。

特にひとりあげるとすれば、Joseph Khouryのシンプルながらタイトなパーカッション(主にリクというアラブタンバリン)は素晴らしいです。

アラブパーカッションは、カンジーラなどインド音楽の影響からどんどんテクニカルになっているという話も聴いたことがありますけど、実はこういうシンプルな音でリズムを刻む方がずっと難しいんじゃないかと思いますね。

そういう意味で、Khouryの演奏はアラブパーカッションの最良の部分が聴けると思いますね。

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