今回はWorld Music Centralというサイトでたまたま見つけた韓国のグループ Sangjaruについて
この記事で、彼らがNYデビューするという話題が記事になっていました
Sangjaruのメンバーは
Cho Sungyoon(ギター) ←彼がリーダーだそうです
Kwon Hyochang(チャンゴ/クァンゲリ)
Nam Seonghun (アジェン:弓で弾く琴のような弦楽器)←風貌がPsyにしか見えませんが、、
ちなみにグループ名は「sangja(箱)」と「jaru(袋)」という韓国語から作られた言葉。
形の変わらない箱と、中身によって形を変える袋という相反する2つの言葉から名づけられたとか
うーむ、このグループは初めて名前を聴いたのですが、いや素晴らしいですね
アジェンによる演奏をフロントに据え、チャンゴでリズムを刻んでいくという組み合わせがメインで、ギターなどがバッキングするというスタイルが多いようですね
盛り上がる場面で(けたたましい)クァンゲリに持ち替えたり、曲によってはヴォーカルを入れたりとかなり変化に富む編成でもあります
ただライブを見てもわかりますが、3人組のみで演奏をするのは少しやりづらそうな時もあるような気もします
アルバムやEPではゲストが多く参加することになっているのですが、そのぶん音の出来栄えがゲスト次第になっている部分もあるような
もうひとりくらいメンバーを入れるともっと良くなるような気もしますね(ヴォーカルとかパーカッションとか)
しかし韓国の伝統音楽(農楽といった方が正確なのかもしれないですが)パンソリやサムルノリは伝統音楽そのままの形で伝承される一方で、ロックなどの他ジャンルとの融合も多い印象です
伝統音楽が現代の音楽と影響しあうことはままある(例えばロックバンドと津軽三味線の共演とか)のですが、たいして面白くない共演に終わりことが多いですね。相性というものもあるんでしょう
そんな中で韓国のパンソリやサムルノリは現代の音楽と融合し、(ジャズとロックが融合してフュージョンになったように)、ひとつのジャンルとして確立しても良いほどの音楽的に盛り上がっていると感じます
かつては(オリジナルグループである)サムルノリと共演したレッドサンといったグループもいましたし、去年来日していたイナルチ(LEENALCHI)とか、このサイトでも取り上げたBlack Stringなどもこうしたジャンルの系譜を継ぐアーティストじゃないかな
SangjaruはKorean Gypsyをキャッチフレーズにしていて、アルバムタイトルや曲名などにたびたび使われています
農楽の演奏者は旅芸人でありまさにジプシーであり、そういう意味から付けたフレーズなのかもしれないですね
『Korean Gypsy』や『The Sack of Gypsy』といったEPは各楽器の緊張感や、迫力のある男性ヴォーカルなど荒々しさが感じられて、グループの良さが出てると思います
唯一のアルバムである『Tayeong』では、冒頭に(ジャンゴ・ライハルトのような)ジプシースウィングを演奏したりもしていて、音楽的なジョークなのか大マジメなのかは謎ですが、ハッキリ言って「なんだこりゃ」って感じですべってると思うのですけどね
このアルバムはおとぼけ感が随所に出てきて、若干迷走している感じですね
とはいえ、ツボにはまった時のこのグループのカッコよさは格別です
こういうグループはワールドワイドにガンガン売れてほしいものですね