アンサンブル・チャカム『Les vents brûlants』

アンサンブル・チャカム(Ensemble Chakâm)は、古代ペルシャの詩の形式にちなんで名づけられた、ペルシャ、アラビア、バロックの古典的なレパートリーを演奏するアンサンブル
パレスチナ、イラン、フランスというルーツの違う3人によって構成されています

彼女たち3人の1stアルバム『Les vents brûlants』の紹介

アンサンブル・チャカムのメンバーは
マリー=スザンヌ・ドゥ・ロワ(フランス):ヴィオラ・ダ・ガンバ
ソゴル・ミルザイ(イラン):タール
クリスティン・ザイード(パレスチナ):カヌーン

少し前にブログで取り上げたカヌーン奏者クリスティン・ザイードもアンサンブル・チャカムのメンバーのひとりであり、さらに以前に取り上げたAtineというグループも共通のメンバーが在籍しています(最下段にリンク貼ります)

これらのグループの音楽は相違点よりも共通点の方が多く、(正直に言ってしまうと)違いもよくわかりませんね
本作でもカヌーン奏者のクリスティン・ザイードがヴォーカルをとるパートがあるのですが、彼女のソロ作とかなりテイストが近く聴き分けることは難しいです

こういった同じようなメンバーで異なるいくつかのグループを平行して活動するというのも面白いやり方ですね

ヨーロッパ(主にフランス)にはアラブ音楽の演奏を生業とするコミュニティがあり、彼女たちはその中の一員ということなのでしょう

演奏活動のみでなく、教育機関でアラブ音楽を学び、また逆に教えたりもしていると思います。
一緒に学ぶ同窓生であったり、先生と生徒という関係であったり
かなり小規模なコミュニティなので、おのずと顔ぶれも似てくるということでしょう

このようなクラシックの要素や楽器演奏のテクニックを取り込んだ中東音楽というのは、すでに確固としたスタイルを確立していて、ジャンルとして「強い」気はしますね

本作では3人での演奏なのですが、(ジャズのワンホーンカルテットのように)お互いの役割をうまく補完しあっていて収まるべきところにちょうど収まっている感じで、聴いていて安心感がありますね

2024年くらいから、WOMEXなどのフェスなど露出が増えているようですが、こういうグループは1枚アルバムを出してなんとなくフェードアウト、というのも良くあるパターンなのですが、このアンサンブル・チャカムは長く活動を続けてほしいな、と思いますね

 

モバイルバージョンを終了