パレスチナ生まれのカーヌーン奏者・ヴォーカリスト、クリスティン・ザイード(Christine Zayed)のアルバム『Kama Kuntu』
このアルバムも、(みんな大好き)Transglobal World Music Chartで見つけたアルバム
2025年1月チャートで初登場7位
彼女のファーストアルバムのようなので、そう考えるとかなり良いチャートアクションですね
こちらの動画は今回のアルバムに収録の曲
動画は2022年に公開されているのですが、今回のアルバムはこの時期から2年近くをかけて完成された作品のようです
彼女は幼少時代をエルサレムとラマッラで過ごし、幼い頃からアラブ音楽を学び、アンマンでオーケストラに入るなどのキャリアを経て、21歳の時にフランスへ渡りエドガー・ヴァレーズ音楽院などで音楽学を学んだそうです
(現在、彼女はエドガー・ヴァレーズ音楽院で教鞭を取っているそう)
(彼女の年齢はちょっと見つからなかったのですが)写真から察するに現在は30代くらいかな
ライブ演奏などを見ると曲ごとにカーヌーン演奏メイン、ヴォーカルメインと分けているようですね。
基本は彼女のカーヌーンと歌をメインに、マルチ楽器奏者のピアーズ・ファッチーニという人のベース・ギター・ピアノ・ギンブリを中心に、曲ごとにオルガンやフルート(バンスリ)や各種パーカッションが加わるという編成
以前、このサイトで紹介したペルシャ伝統音楽を演奏する女性オンリー5人組のアティネ(Atine)というグループがあったのですが、彼女はこのグループのメンバーでもあります
このアティネのメンバーである、ソゴル・ミルザエイ(Sogol Mirzaei)とヴィオラ・ダ・ガンバ奏者のマリー・スザンヌ・ド・ロイエ(Marie-Suzanne De Loye)は本作にも参加していますね。
またマリー・スザンヌ・ド・ロイエとクリスティン・ザイードはEnsemble Chakâmという別のアラブ音楽プロジェクトでも共演しています
参加メンバーの中ではピアーズ・ファッチーニという人が音楽的な主導権を握っていそうなイメージで、そのためなのか(マカームのような)いわゆるアラブっぽくない仕上がりになってますね
ほのかに香る中東テイストの音楽とも言え、この「ほのかな」空気感がこのアルバムの魅力と言って良いのかなと思います
ファイルーズみたいなイメージですが、わたしはファイルーズよりもこのクリスティン・ザイードのアルバムの方がずっと好みですけど
クセがなく引っかかりがないヴォーカルも、彼女の音楽性にマッチしていて心穏やかに聴くことができます