Black String 『Road of Oasis』


Black Stringは、2011年に結成された韓国伝統音楽をベースにジャズやコンテンポラリーサウンドとの融合した音を指向する4人組グループ

グループのリーダーで唯一の女性であるユン・ジョンホはコムンゴ(韓国琴)奏者で、このコムンゴという名前がBlack String(黒い弦)という意味を持つそうです

彼女らの新作『Road of Oasis』が昨年2024年の年末にリリースされていました
(年末ってクリスマスもあるしリリースってあんまりやらないのですけどね)

こちらは1曲目の公式動画(ぜんぜん再生されていないけど)

彼らはこれまでに2枚のアルバムを、ドイツのジャズレーベルであるACTレーベルからリリースしていたのですが、今回はACTレーベルからは離れているようです(韓国の国内レーベル?)

実際のところ契約を切られてしまったということなんでしょうね
グループとしてはこのアルバムが勝負、正念場ですね
こういう素晴らしいグループはなんとか活動を続けてほしいところですけども

ACTレーベルはワールドミュージック系のミュージシャンもけっこう在籍しているのですが(グエン・レやMajid Bekkas)、ああいうのどうなんでしょうね?
ジャズファンに彼らの民族音楽テイストの音楽がアピールしてきたのかは疑問です

例えばECMにも言えるのですけどね。いろんなジャンルを抱えるレーベルではありますが、その中でワールド系は不遇な気もします。
Nonesuchレーベルくらいかな。Nonesuchくらいが唯一ワールド系のジャンルが確固としたポジションを得ているような気がします。レーベルの力の入れ方ですかね。

そういう訳で今回のアルバムはある意味ジャズという「くびき」から解放されたアルバムでもあります
結果としては、ドローンギターのアンビエントっぽい響きやエレクトロニカ風の電子音を駆使した曲など、ギターのジャン・オーが活躍している印象で、グループの新たな魅力を示してくれているアルバムと言えます

より韓国の伝統音楽をより自然な形で現代的にアレンジしており、ダイナミックで盛り上がる展開が多く、いやもうカッコ良いです。これまでのアルバムの中で一番好きかも。
前作からすでに5年経っているのですが、その間にグループとしての成熟してきた様子がうかがえますね

Black Stringのような韓国の伝統音楽をロックやポップスなどの音楽に取り入れているグループが増えてきましたが、先駆者たるBlack Stringはそうしたムーブメントより一歩先を行っている感じですね

Black Stringメンバー
ユン・ジュンホ(コムンゴ)
アラム・リー(テグム)
ファン・ミンワン(チャンゴ)
ジャン・オー(ギター)

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