Zion80『Hod』/ 「The Book Beri’ah」を全部聴くVol.8

Zion80  〜歌うラビとフェラ・クティ〜

Zion80というグループは、RashanimなどTzadikレーベルで多くのアルバムをリリースしている、ギタリストのJohn Madofが2013年に新たにはじめたプロジェクト。

当初は「歌うラビ」としても知られるラビ・シュロモ・カルバッハの曲とフェラ・クティのアフロビートを融合させるというコンセプトだったそう。

動画はカルバッハの曲を演奏するZion80

Personnel

Jon Madof (guitar)
Frank London (trumpet)
Greg Wall (tenor sax)
Jessica Lurie (bari sax, alto sax, flute)
Zach Mayer (bari sax)
Brian Marsella (keyboards)
Yoshie Fruchter (guitar)
Shanir Ezra Blumenkranz (bass)
Yuval Lion (drums)
Marlon Sobol (percussion)

これはなかなかのオールスターメンバーじゃないでしょうか。
Frank LondonとGreg WallというHasidic New Waveのコンビが参加というのも豪華です。
結成当初のオリジナルのZion80メンバーは、このメンバーにさらに元KlezmaticsのMatt Darriauも参加していたのですが、本作では不参加。
その他、Brian MarsellaやShanir Ezra Blumenkranzなど、ここ数年のTzadikレーベルでファーストチョイスとも言える代表的なプレイヤーが参加しています。

レーベル期待のJohn Madof

John MadofはTzadikレーベル以外では活動がほとんど目立たず、ほぼ専属のような扱いでかなりプッシュされていたと思います。(別にゾーンがそう公言していた訳じゃないですけど)
同様にプッシュされていたミュージシャンというと、Daniel ZamirとかJamie Saftとかかも。
ただDaniel Zamirは活動に行き詰まりを感じたのかイスラエルに帰国してしまい、Jamie Saftもなんだか目立たなくなってしまったため、残るはJohn Madofのみという感じです。
このZion80の豪華メンバーもレーベルの期待の表れなのでしょうか。

フェス向け大編成が最近のTzadik仕様

Masada 3では、ソロ演奏やカルテットなどの小編成は
Spike Orchestra,Abraxas,Klezmersonなどなど、実はMasada 3の半数近くがこういった大所帯編成のグループですね。
Masadaが、というかここ最近のTzadikレーベルじたいの傾向なのかもしれません。
全体的にライブハウスからフェス向ような大きな会場向けのグループが重宝されているような気がします。

動画はポーランド、クラクフでのライブの様子。


演奏は基本的には、クレズマーのパーティー風音楽ですね。ライブで演奏されるとガンガン盛り上がっています。ジャズというよりロックミュージシャンのライブに近いかも。これはライブで観たいなぁ。

このノリの良さはロンドンたちホーン隊の活躍な気もしますけど、Brian Marsellaのキーボードが怪しさ満点で音の良いスパイスになっているよう。