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Tzadikレーベル ストリーミング配信開始の衝撃!

2023年9月30日、ジョン・ゾーン主宰のTzadikレーベルが全カタログのストリーミング配信をはじめました。

なんの前触れもなくいきなりだったので「え?」って感じだったのですけどね。

わたしは解禁に気づいたのは、Spike OrchestraのSam Eastmondが自身のTzadikレーベルからの作品をストリーミングのリンクを付けて紹介していたから。
(この日は、他にもいろんな人が自身のお気に入り作品をリンク付きで投稿していましたね)

Tzadikはレーベルとしては間違いなくこれまで一番アルバムを購入してきたので、それが全て聴けるとなるのは変な気分です
(探した限り、Bagatellesのボックスセットは聴けないみたいですが。見つけられていないだけだったらすみません)

ただこれまでも、自分の持ってるCDの名前をネットやSNSで名前を見かけて「ちょっと聴きなおしてみようかな?」とか思っても、めんどくさくてあきらめちゃうことも多かったので、シンプルにありがたいかも。

それにしても、Tzadikはこれまでずっとストリーミングはしてこなかったのにどうしてここにきて配信をはじめたんでしょうね?

「ストリーミングはお金にならない」は昔からそうでしたし、いま配信をはじめても別に大幅な収益が見込めるわけでもないとは思うのですけど。

そもそもTzadikはCDが主流だった頃から経営としては成り立ってなさそうだし(大口のパトロンのような人がいたとかいないとか)、、収益がどうとかあまり気にしていないとは思っていたのですけど。

ティム・バーンとかジョン・イラバゴンとかはBandcampなどを使って、ストリーミングを拒否しつつもなんとかファンに音源を届けようとしていますが、Tzadikはそういう感じでもなかったですからね。

そもそも、現在のTzadikレーベルはかつての姿とはだいぶ変わっていますからね。

もはや世に知られていないレアなミュージシャンの音源を出していくレーベルではなくなっているのだと思います。
今では、Brian MarsellaやMatt Hollenberg,Kenny Grohowskiといったコアのミュージシャンを起用したいくつかの主要グループのアルバムをリリースしていくスタイルになっています。

このあたりの方向転換はやっぱりPLEDGE MUSICの破産の件が大きかったのかなー、とも。

今回のストリーミング開始も、レーベル運営の方針がここ数年でドラスティックに変わっていった、その一環なのかもしれません。

ともあれ最近ではTzadikのコンプリートカタログを見て、これまで聴いていなかった作品を聴いています

これまでも気になった作品はCDを買うか、最悪YouTubeで聴いたりしているので「どうしても聴きたかったあの作品が聴ける!」みたいな事はないのですけどね。

今回カタログを見返してストリーミングで聴いてみて気になった作品を紹介
(もちろんですが有名盤は出てきません)

Tafillalt 『Tafillalt』

カタログを見返すとRadical Jewish Cultureは素性のよくわからないミュージシャンも多く聴き逃しが多いように思う。Tzadikでしか聴けないミュージシャンも多いし。
このアルバムも、中東の音楽とジャズのミックスという点では聴いてて楽しいアルバム。
ゾーン自身はこういう民族音楽的な高揚感みたいなのをアルバムで表現するのは苦手っぽいけど、そこは人選のセンスでカバーしている感じはします。

Kaiser/Noyes/Park 『Invite The Spirit 1983』

ギターのHenry KaiserとドラムのCharles K. Noyesが、韓国のカヤグム奏者Sang-Won Parkと共演したアルバム。

サムルノリのノンサッチ盤のリリースが1984年なのでそれよりも先、ということでかなり先駆的な作品でした。
新録ではなく過去のアーカイブをリリースするのは、コンポーザーシリーズでは割とありましたが、こういう作品がリリースされるのは意義あることだったんだと思います。
同じメンバーで2006年にもアルバムリリースしていますね(こちらもTzadik盤)

Charming Hostess『Sarajevo Blues』

2021年に亡くなったJewlia Eisenbergによるヴォーカル・トリオCharming Hostessによるアルバム
Muna Zulや吉田達也さんのZubi Zubaなど、ヴォーカル・トリオの作品がTzadikにあるのは偶然かな?

このアルバムはTzadikカタログの中では、ユダヤ音階っぽくない雰囲気を持ったワールドミュージックとして聴くことのできるレアなアルバムかも。

Bret Higgins’ Atlas Revolt『Bret Higgins’ Atlas Revolt』

Tzadikのカタログの中でこのSpotlightシリーズというのは謎なのですけど、若い現役ミュージシャンを取り上げるってことですかね?
Bret Higginsはトロント在住の作曲家・ベーシストということ。
民族音楽をベースにしているのだけど、特定のジャンルに囚われず自由な作曲・演奏をしている、グループのコンセプトとしてはSecret Chiefs Xとかに近いのかも。

シンプルで淡々としたドラムパターンがかなり良いアクセントになっていて、「どこがすごい」というのは全くないのですけど聴いてて引き込まれるグループ

おススメ!

We Aliens『Unnatural Ways』

グループ名からはわからないのだけど、ギタリストAva Mendozaを中心としたギター・トリオ
ソニック・ユースのように空虚じゃない、轟音ギターによるテクニカルなロックサウンド

Ava Mendozaは単独では名前は良く見ますが(もうこのグループでの活動なんてしてないんじゃ?)もっと活躍して良い人だと思います。

 

以上が今回新たに聴いて気になった作品でした。

それではみなさんも良いTzadikライフを!