トマ・フジワラ(Tomas Fujiwara)は、メアリー・ハルヴォーソンとの共演などで知られるドラマー
彼も日系アメリカ人の方のようです。ボストン生まれだとか。ハルヴォーソンもボストン生まれ
2021年にダウンビート誌の批評家投票の「ライジング・スター・ドラム部門」でトップ得票を取ったこともありました。
今回は、彼が率いる7 Poets Trio の新作アルバム『PITH』の紹介
RogueArtからリリースしたセルフタイトルアルバム『7 Poets Trio』(2019)に続くセカンドアルバムです。
Personnel
Tomas Fujiwara: drums
Patricia Brennan: vibraphone
Tomeka Reid: cello
正直、ファーストアルバムはあまり好きなタイプのアルバムじゃなかったんですよね
おそらく緻密に作曲されている雰囲気は感じるのですが、テンポは全体的に遅く曖昧で、お互いの演奏もつかず離れずといった感じで「つかみどころのない」印象。
まあ「地味な」アルバムだったのだと思います。
その反面、今回の『PITH』は、特にトメカ・リードの指弾きチェロがほとんどアコースティックベースのような役割をしていて、いわゆる「ジャズのピアノトリオ」に近い雰囲気を持った、聴いてて「楽しい」アルバムなっています。
それぞれの演奏者が(特にブレナンが)のびのび演奏しているように感じますね。
3人ともそれぞれの楽器のハイテクニックなソロを披露するというわけじゃないのですが、シンプルなドラムパターンやフレーズを多用していて、前作よりも3人の濃密な絡みが聴けます。
ブレナンは7 poets trioのライブでは、(彼女の1stアルバムのように)モジュレーションを多用したパフォーマンスを行ったりしていましたが、今回は特にそういう趣向もなくストレートな演奏でした。
余談
トマ・フジワラはお世辞にもメジャーなミュージシャンじゃないですが、珍しくこの『Pith』はThe Guardian誌にレビューが載っていましたね。