今日は時事ネタ
先日、2021年のグラミー賞のノミネートが発表されていました。
去年のグラミー賞はというと、レコードアカデミーCEOのデボラ・デューガンさんが
「ノミネート候補がアカデミー会員によって不正に決められている」
という内情を暴露して、グラミー賞全体を揺るがした年でした。
デボラ・デューガンさんはすでにアカデミーから追放され、今ではジャズ・ドラマーのハーヴェイ・メイソンの息子のハーヴェイ・メイソンjrが新しくCEOになっています。
そんなグラミーですが、今年もノミネートに関してひと悶着あったようです。
事前の予想で評価の高かったザ・ウィークエンド(The Weeknd)が、まさかのノミネートゼロという結果になったのです。
ザ・ウィークエンドは「Blinding Lights」という曲が大ヒットし、アルバム『After Hours』もチャートトップを記録したことから、「ノミネートは確実」「受賞も狙える」と言われていたことから、この落選はかなりのサプライズだったようです。
このあまりに不自然な落選は、ザ・ウィークエンドが授賞式のパフォーマンスを拒否したためでは無いかと言われています。
そして、パフォーマンスを拒否した理由は、ザ・ウィークエンドがグラミー授賞式よりもスーパーボウルのハーフタイムショーを優先させたのでは?という憶測が流れています。
このノミネート拒否について彼は
「グラミーは相変わらず腐っている。自分やレコード会社、そしてファンに対して(選考の)透明性が必要だ」
とSNSにアップしています。
”相変わらず”というところが、昨年からのノミネート不正疑惑を意識したコメントになっていますね。
The Grammys remain corrupt. You owe me, my fans and the industry transparency…
— The Weeknd (@theweeknd) November 25, 2020
スーパーボウルとグラミー賞
1月後半から2月前半にかけて、アメリカの週末はアメフトNFL一色となります。
年明けから毎週末プレイオフが行われ、頂上決戦であるスーパーボウルへ向けて全米が盛り上がっていくのです。
そんな中でスーパボウル前の週の週末だけ、ケガ人を治療して万全で試合できるように試合がないお休みの週末があるのですが、グラミー賞授賞式はこの週末に行われるのが通例です。
※2021年で言えば、スーパーボウルは2月7日、グラミー賞授賞式はその前週の1月31日
スーパーボウルとグラミー賞受賞式と比べると、注目度としてはスーパーボウルの方がケタ違いに高いのです。
(グラミーは視聴率6%くらい。スーパーボウルは40%以上)
このことから、グラミー賞授賞式は意図的にアメフト開催日とのバッティングを避けている、というのが実情です。
スーパーボウルのハーフタイムショー
スーパーボウルのハーフタイムショーもとうぜん全米中の注目が集まり、その年で最も多くの視聴者を集める音楽ライブとも言えます。
このハーフタイムショーにザ・ウィークエンドが選ばれたということは、今年の彼の人気を裏付けているとも言えます。
で、ここは想像の域を出ないのですが、おそらくNFLリーグ側がザ・ウィークエンドに対して、
「ハーフタイムショーに出るのだから、前の週のグラミー賞ではパフォーマンスを控えてほしい」
という打診をしたのだと思います。
前の週にがっつりと露出してしまうと、視聴者がハーフタイムショーの興味を失ってしまうとNFLは考えたのでしょう(実際にそのとおりだとは思いますし)
ザ・ウィークエンドはグラミー賞授賞式でのパフォーマンスをやる予定だったのはどうも確かなようです。パフォーマンスについてグラミー側と事前に打ち合わせていたそうです。
この事実からも、彼がグラミーにノミネート予定だった事はほぼ確実のようですね(普通はノミネートから漏れた人をわざわざステージでパフォーマンスさせませんし)
この事前打ち合わせの最中にスーパーボウルハーフタイムショーの出演が決まり、(おそらく)ザ・ウィークエンド側からパフォーマンスを断ったということだと思います。
「グラミー賞ステージのパフォーマンス」と「スーパーボウルハーフタイムショー」、どちらかを選べと言われたら、そりゃ誰だってハーフタイムショーを取りますよね。
で、ザ・ウィークエンド側としては
「パフォーマンスはできないけれど、授賞式にはちゃんと出席するし受賞すれば受け取るよ」
というスタンスだったと思います。
それが結果としてはまさかのノミネートゼロ。
これはつまり「授賞式のためにパフォーマンスできない奴にノミネートは与えられない」というグラミー側の露骨ないやがらせのような気もします。
ノミネートは公正にアカデミー会員の投票で行われていると散々言ってきたのにこのザマです。
ザ・ウィークエンドとしては、
「おいおい、そりゃパフォーマンスは断ったけどノミネートまで無しにされちゃうの?」
と思いますよね。
なんとも後味の悪い話です。
グラミー賞のアカデミー会員は権威主義というか、ミュージシャンがこぞってグラミー賞アーティストという肩書を欲しがった時代のことが忘れられないのですかね?
もうグラミー賞なんてやめたら良いのに