Super Parquetはフランスで結成されたワールドミュージック/トラッド系のグループ。
2010年代初頭にグループを結成し、これまで2015年と2019年に2枚のアルバムをリリースしています。(どちらもアルバムタイトルがグループ名と同じ『Super Parquet』で紛らわしいのですが、、)
Spotifyなどのサブスクでも聴けます。
Personnel
Simon Drouhin boite (electronics, à bourdons※ハーディ・ガーディ風自作楽器)
Antoine Cognet (banjo)
Louis Jacques (cabrette ※フランスで使われるバグパイプ)
Julien Baratay – (electronics)
この楽器編成はワールド系としてはかなり変わっていますね。というかどんなジャンルにも無い編成ですね。
Cabrette(バグパイプ)とバンジョーというトラッド楽器がメロディー部を担当し、残りの2人はアナログ・シンセやリズムマシンなどをテーブルいっぱいに並べた電子楽器を駆使してバックトラックを演奏しているかたちです。
たまにハーディ・ガーディとシュルティを合わせたような自作楽器でドローン音を演奏するところも面白いですね(演奏が盛り上がるといきなり手で楽器のハンドルをグルグル回しだす)
電子楽器といいつつクラブっぽい訳ではなく、若干ドローン/アンビエントっぽくもあります。
基本トラッドと電子音楽のミックスなのですが、お互いの足りないところをうまく補完しているのかな、と感じます。トラディショナル楽器だけでは出せないハデで複雑なリズムと、ドローン/アンビエント音楽には無いトラッドフレーズの楽しさをあわせもっているようです。
バグパイプとバンジョーによるフレーズも、いわゆるトラッド音楽によくあるような楽器のテクニックを披露する感じは全然なくフレーズの単純なアルペジオだったりして、サイケでトランシーな音をうまく演出している。
伝統音楽と他のジャンルをミックスさせて演奏される音楽って、うまくいった例ってあまりないのだと思いますけどね。
たとえば津軽三味線が他のジャンルと共演する時に、ドラム入りのロックバンドと共演しちゃったりすると、オリジナルを台無しにするつまんない音楽を作ってしまうことになっちゃうのですけどね。
彼らは基本的にはWOMEXのような大きめのワールド系のフェスに参加していて、ステージではハデなライティングなども使いつつガンガン客席を盛り上げてるようです。トラッド系のミュージシャンのノリとはちょっと違うかも。
彼らのインタビューなどを読むと、自分たちの音楽はあくまで「ダンスミュージック」と割り切ってとらえているようですね(トラッド音楽でダンスは欠かせない要素なのでしょうけど)
踊るといってもクラブとか今風の大規模なフェスじゃなくて、老若男女あつまる地元のお祭りみたいなイメージなのかも。
ヨーロッパのトラッド音楽はヨーロッパの人にとっては「地元の」音楽であって、日本の感覚よりもずっと人気があるのだと思いますし、こういう音楽が野外フェスで演奏されるっていうのは単純にうらやましいですね。
日本の夏フェスは、リスナーが普段から聴いている有名ミュージシャンを目当てにしていく感じが強いと思うので、こういう地元フェスとはちょっと目的が違うかんじです。