ギタリスト、パスクァーレ・グラッソ(Pasquale Grasso)による新作アルバム『Be Bop!』がリリースされています。
今回は、ビバップというタイトル通り、チャーリー・パーカー、ディジー・ガレスピー、セロニアス・モンクの曲を演奏しています。
アルバムジャケットの、グラッソ本人のポートレイトイラストや文字の字体などが、ビバップ期のジャズアルバムっぽくてカッコ良いですね。
グラッソは基本的には選曲的には有名なスタンダードを演奏することが多くて、そのためスローテンポなバラードも多いのですが、今回の『Be Bop!』は全体的に速いテンポでエネルギッシュな演奏が多いです。
おそらくグラッソのプレイを映像で観た人が驚くのは、指をありえないくらい開いたヴォイシングでのコード弾きだと思います。
これまでのアルバムでも、スローテンポの曲ではそういったコード弾きを聴けることも多かったですが、今回はシングルトーンでの演奏多めかな。
選ばれている曲の中では「Ruby, My Dear」や「Ornithology」など、過去にソロギターでレコーディングした曲を再び取り上げたりもしてますね。
メンバーはこちら
Pasquale Grasso(guitar)
Ari Roland(bass)
Keith Balla(drums)
guest:
Samara Joy(vocal)
今回のアルバムは、前作『プレイズ・デューク』と同じメンバーのトリオ編成です。
グラッソがもっとも古くから共演してきたメンバーなのですが、グラッソのレギュラーグループと言って良いのでしょう。
ゲストヴォーカリストとして参加しているサマラ・ジョイとグラッソも、お互いのソロアルバムに参加していますし、それぞれアルバムリリース後のツアーにお互いがサポートしあうなど、親密なコラボレーションを続けているようです。
こちらの動画はFacebookにアップされてた、サマラ・ジョイが参加した「I’m in a Mess」のレコーディング風景
(グラッソはinstagram/FB派みたいで、twitterはやらないみたい)
グラッソとジョイの出会いのきっかけなどは、ジョイのソロアルバムについての投稿で詳しく書いています。
(前回のアルバムから1年も経っていないので、ブログに書くトリビア的なネタはすでに書き尽くしてしまいました)
こういうスタイルのアルバムは現代ジャズでは逆にレアだと思うのですが、やっぱり聴いてて楽しいですね。最後まで一気に聴いてしまいました。
3年前に初めてグラッソのことを取り上げたブログでは「トリオアルバムが聴きたい、聴きたい」と書いた訳ですが、前作の『プレイズ・デューク』と今回の『Be Bop!』でその願いはかないました。
ただグラッソはなんとなく、「トリオでスタンダードナンバー演奏」を(まるでキース・ジャレットのスタンダーズみたいに)ずっと続けちゃいそうな気もするのですが、そろそろ違う路線のアルバムも期待しちゃいます。
ホーン奏者とか、他の大物ミュージシャンとの共演なんかも聴いてみたいですよね。