「東京の女の子、どうした?」
2019年のフジロックフェスティバルでも最高のステージを見せてくれたと評判のジャネール・モネイですが、宇野維正という方のジャネール・モネイのライブについてのツイートがプチ炎上しているようですね。
宇野さんという方は音楽評論家で、元々はロッキング・オンの方のようですが(わたしはロッキング・オン系の雑誌はほぼ読まないので)これまでどういうことを書いている方なのかはよく知りません。
その炎上ツイートというのがこれです。
読んだ人が反発して炎上になっているのは、この最後の「東京の女の子、どうした?」という部分ですね。
典型的なマンスプレイニング
マンスプレイニングという言葉は、「man」(マン)と説明を意味する「explain」(エクスプレイン)をかけ合わせた言葉。
飲み会の場などでもいやというほど聞く、男性が女性に対して偉そうに(例えば映画とか書籍について)について解説しちゃうことです。
女性に対して上から目線で、相手の知らない情報をひけらかしてマウントを取ろうとする、はっきり言ってウザい行為ですよね。
(女性なら誰しも経験したことのある「あの振る舞い」のことですよ)
このジャネール・モネイについての発言もまさに典型的なマンスプレイニングでしょう。
割と話題になったツイートなので、これから先に音楽好きの人に「マンスプレイニングとは何か?」を説明する時のスタンダードになるエピソードかもしれません。
こういうある意味イタイ発言は、飲み会の席で会社の上司に言われたのなら「へー、そうなんですね。なんかすごそうですね」とかなんとか言って、さりげなく話を変えてやり過ごすのですが、SNSでこんなこと言われるとさすがにみんな黙っちゃいないですね。
「ほら、意識高い系だったら海外のこういうイケてるのチェックしないとダメだよ。もちろん僕はもうチェック済だけど、君は?」みたいなプライド意識みたいなものが透けて見えるところも、みんなに反感を買ってしまった原因かも。
やたらマウント取ろうとしている感じもあるし、同時に「若い女の子ってこんなのが好きなんでしょ?言ってなかったけどおれもこういうの興味あるんだよね」とオジサンが若い人にすりよっている?と思わせる発言でもありますよね。
そして何よりもマズいなと思うのは、本人がこれがイタい発言だということに気づいていないところですよね(そこはまるでセクハラおじさんと一緒)
ただ、宇野維正さんにも気の毒な面はある
このツイートは、どうもすでに消されているようです。
ツイートを消した理由を本人は「期せずしてオジサン論が展開されてしまっているので」と説明していますが、まあみんなから散々な言われようだったから消したんでしょう。
この発言を揶揄するツイートをした人を片っ端からブロックしているというのもみっともない感じです。
わたしも気づいたらブロックされていました。ちっちゃい人だ、、
ただ、このツイートの発言でここまで言われちゃったのはちょっと気の毒な気はします。
たとえば福山雅治さんとかリリー・フランキーさんののセクハラコメントみたいに、パッと聞いた感じ女性への失礼な発言も軽く受け流してもらえる人もいますし。
宇野さんのツイートを受け流さずに反応しちゃってる人は、普段から彼に対していけ好かないと思っていたのかも。
要は、本人も別ツイートでいっているように「人徳」ですかね。
オジサンの勘違いツイートで終わらせてはいけない
ただこの出来事を「これだからオジサンって、、」と個人のやらかしツイート扱いで終わらせるのもどうかな?とは思います。
「女性だから〇〇」「女性なのに〇〇」と女性をカテゴライズする振る舞いは、「女性に寿司は握れない」と言ったわかりやすいマッチョな例もあれば、テレビに氾濫する「女医」「美人女医」「美人すぎる◯◯」などなど、世の中にいくらでもあふれています。
このブログはジャズのアルバムについて良く書くのですが、ジャズピアニストのオールタイムベスト50を選ぶ雑誌の企画で(→こちら)、女性ピアニストがMary Lou Williamsひとりだけしかランクインしなかったことに、当の現役ピアニストから異議があがっていました。海外の雑誌ですらこのありさまです。
とはいえ、自分も例えばミュージシャンを紹介するときに、女性ドラマーなどの表現をしてしまうことがありますし。
自分の発言に、自分でも気づかないジェンダーへの偏見がないかは常に自覚的でありたいですね。
もっと宇野維正さんについて知りたい人は
こんなnoteも見つけました。
POP LIFE THE PODCASTにおける宇野維正先生の気になる発言をまとめて何故彼が炎上する発言を続けるのか考察(→こちら)