カリーマ(Kaleema)ことHeidi Lewandowskiは、ブエノスアイレスをベースに活動するマルチインストゥルメンタリスト、作曲家、シンガーで、彼女が今年リリースした2枚目のアルバム『Útera』を紹介
いきなり音楽とは関係ないですが、すごい美人ですね、彼女。
アリシア・ヴィキャンデルとかにちょっと似てるかも。
ブエノスアイレス出身ということですが、祖父母がレバノン、スペイン、イタリア、ポーランドからの移民ということで少し東洋っぽい顔立ちもしています。
名前はポーランド系なのかな。彼女と同じ姓であるポーランド出身のRobert Lewandowskiという有名サッカー選手がいるそうです。
もともとはバイオリンを弾いていたとのことですが、一時期ニューヨークに移り住み音楽プロダクションを学んでいます。
今作『Útera』では彼女はトラック製作から、ヴォーカル、シンセなどほとんどのパートを自身で担当していますね。
彼女は前作『Nomada』(2017)でデビューしたのですが、DJ風の打ち込み要素とラテンアメリカの生楽器を融合した作品として当時はけっこう話題になったようです。
ブエノスアイレスにはこういったダビーでミニマルなエレクトロニック音楽シーンがあって、「デジタル・クンビア」とも呼ばれているようです。
『Nomada』にも参加しているプロデューサー のチャンチャ・ビア・シルクイート(Chancha Via Circuito)などがシーンの中心人物で、カリーマさんはそうしたシーンに現れたニューカマーという存在でした。
ちなみに『Miss Colombia』(2020)でワールドワイドにブレイクしたリド・ピミエンタ(Lido Pimienta)も、カリーマの『Nomada』やシルクイートの『BIENAVENTURANZA』といったアルバムにゲスト出演するなど、関係が深いみたいです。
個人的にはこういった音楽シーンにぜんぜん詳しくなくて前作『Nomada』もノーチェックだったのですが、いくつかアルバムを聴いた印象ではラテン楽器を織り交ぜたループベースのトラックをダブっぽく音を加えたり引いたりするジャンルみたい。
ラテン楽器のフレーズをサンプリングして、それをぜんぶAbleton Liveに入れて仕上げた感じの曲、と言えばわかりやすいかも。
そういったキャリアを持つカリーマさんですけど、何人ものプロデューサーとコラボした前作『Nomada』とは違い、『Útera』はプロデュースからアレンジから基本的には彼女ひとりで全てを担当したようです(こういった方向性の変化は新型コロナの影響があったのかもしれませんけど)
そのため『Útera』は前作以上にカリーマさんの音楽性が反映されたプロダクションとなっていて、具体的にはラテンテイストを感じさせるパートはほとんど皆無で、ミニマルなエレクトロニカ作品になっています。
ワンパターンで単調なところも多くて粗の多いアルバムなんだと思いますけど、このスローテンポのグルーヴの「ちょうど良さ」がすごく良いんですよね。
わかりやすいたとえで言えば、シャーデーの曲のグルーヴ感みたいな。もう少し電子音楽っぽいところでいうとBolaとか。
同じようなテンポで同じような音で演奏しても、こういうグルーヴ感を出せるミュージシャンは多くないですしね。