今日のブログは能楽一噌流笛方・一噌幸弘さんによるユニット「 返シドメ 」によるデビュー盤
うわぁ、こんなすごいアルバムがリリースされるの全く知りませんでした。
まずはこのオフィシャル映像を。
早速聴いてみたのですが、もう最高です。再生してから終わるまでずっと圧倒されっぱなし。
アルバム紹介文に「能管ロック」という例えがありましたけど、一噌さんは能管でバロック音楽の難曲を軽々と吹いたりとクラシックも演奏される方のようなので、ロックの中でも「プログレ」ということなんですかね。
超テクニカルな展開の曲を、各メンバーのアンサンブルが淀みなくバシッと決まっていて、もう最高です(2度目)
一噌さんも「自分でいうのも何ですが、最高傑作です」と言っていたのですけど、その言葉もうなづけるアルバムの出来だと思います。
一噌さんはジャズ/即興系のミュージシャンとの共演は(特にライブで)かなり多いので、この返シドメのメンバーも多分いろんなところで共演しているのだと思いますが、(田舎住みで東京に行けない自分からすると)こうやってCDで聴けるのはうれしいですね。
一噌 幸弘さんについてはキッチン・ドリンカーズの『妄想フルクサス』(2004)の印象が強いかな。
※ちなみにこのアルバムには一噌さんとは別部隊で大友さんも参加していましたね。
このアルバムはパロディとかネタ満載の音楽でかなり面白かったですよね。一噌さんもライブでも大ウケしていたみたいですし。このアルバムはカバー曲の権利関係があって、今ではあまり流通していないのかもしれないですが。
そういう訳で一噌さんが面白トークが好きな人ということは前からは知っていて、今回のアルバムの特典にもダジャレ本がついているらしいのですけど、今回あらためて公式のYouTubeチャンネルを覗いたのですけど、ここ1年くらいですごく動画増えていますね。
「突然フリージャズの巨匠乱入!」ということでこのサムネ!!
終始こんな感じでめっちゃ面白い動画ばかりなのですけど、合間の演奏はアヴァンギャルドでカッコ良いです(能管だけでなくピアノもかなり弾かれるようですね)
動画の中で能管の解説なども聴けてなかなか興味深かったです。
このアルバムで使っている笛は「魔狂能管」というなんだかすごい名前が付いているそうですが、アンサンブルの中で強い音を出せるように、通常は竹製のところをグラナディラという木材を使っていて、あとは唄口に金属(銀)を使っているとか。
(グラナディラとはアフリカン・ブラックウッドのことで、クラリネットなどにも使われる硬い木材だそうです。今はワシントン条約の対象だとか)
「魔狂能管」は特殊なシチュエーションオンリーの使用ではあるみたいですけど、「能管も時代とともに変わっていくんです」とサラッと言ってるところが印象的でした。
返シドメ
一噌 幸弘:能管 篠笛 田楽笛 リコーダー 角笛
大友 良英:ギター
吉田 達也:ドラムス
ナスノ ミツル:ベース