今回はジョン・ゾーンが演奏するジャズ、その中でもオルガンジャズについて紹介したいと思います。
ピーター・バラカンさんはたまに良いこと言う
洋楽を聴く人はピーター・バラカンさんの文章はどこかで目にしたことがあると思います。
私もむかし彼のディスクガイドなどを何冊か買って読んだことがありますが、当時は全く名前も知らないミュージシャンについての情報やエピソードなどを知ることができて、けっこう役に立ったなぁと思います。
ただ最近になって改めて彼の本をパラパラとめくってみると「んんー、ちょっと趣味が合わないかな」と思うセレクションも多いのも確かなんですよね。
彼は「ブルーズが好き」と公言していてセレクションも「いかにも」という感じなのですけど、わたしはそこまでブルース好きじゃないのでちょっと趣味が合わないのかも
そんなピーター・バラカンさんが何か雑誌で話していたこんなエピソードがありました。
「雑誌で自分の好きなCDを1枚選ぶ企画があって、その中でジョン・ゾーンはBabyface willeteというオルガンプレイヤーのブルーノート盤を選んできたんです。初めて名前を聞いたミュージシャンだったので、興味を持ってそこからBabyface willeteのアルバムをを聴くようになったんですよね」
John Zorn meets Organ
ジョン・ゾーンはビ・バップも熱心に勉強した人で当然オルガンジャズが好きらしく、ブルーノートを代表するオルガンプレイヤーであるジョン・パットンと『Minor Swing』というアルバムをリリースしています。
John Patton (organ)
John Zorn (as)
Ed Cherry (guitar)
Kenny Wollesen (drums)
ここではラリー・ヤングの『Tyrone』を演奏したり、(いつもより抑えめですが)ゾーンはフリークトーンを吹いたりと、ちょっとアヴァンギャルドよりの演奏が聴けます。
※YouTubeにアンオフィシャルの音源はあります。
Tony Williams Lifetimeへのオマージュ
トニー・ウィリアムズは以前、ライフタイムというオルガン入りのグループを結成しており、『Emergency!』というアルバムをリリースしています。
ライフタイムのメンバーはこちら
John McLaughlin (electric and acoustic guitars)
Tony Williams (drums, vocals)
Larry Young (organ)
これもなかなか強力なメンバーですよね。オルガンジャズというよりはジャズロックのカテゴリに入るのかも。
John Zorn’s emergencyを結成
ジョン・ゾーンはこのグループのオマージュとしてJohn Zorn’s emergencyというユニットを(ちょっとだけ)作っていました
『live at Tonic vol.1』というコンピレーションアルバムで、1曲のみ『Colombo』という曲をこのグループで演奏していました
John Zorn’s emergency
John Zorn (Alto Saxophone)
Ben Perowsky (drums)
Mark Ribot (guitar)
John Medeski (organ)
オルガンジャズは最近になって再注目されて、ジョン・スコフィールドとかパット・マルティーノとかたくさんのミュージシャンがオルガンプレイヤーと共演していますが、わたしが一番好きなのはこのジョン・ゾーンのグループかな。
オルガンジャズのグルーヴとゾーンのアヴァンギャルドなサックストーンがうまくミックスされています。
このグループのフルスタジオアルバムはついにレコーディングしなかったようですけど、後にドラムがベン・ペロウスキーからケニー・ウォルセンに変わって『live at the Willisau Jazz Festival』というライブ盤がリリースされましたね
John Zorn (Alto Saxophone)
Kenny Wolleson (drums)
Mark Ribot (guitar)
John Medeski (organ)