クリス・ポッター、ザキール・フセイン、デイブ・ホランドの3人で結成されたグループCrosscurrents Trioのアルバム『Good Hope』がリリースされました。
最初にこのアルバムのリリース情報を見たのは今年の7月11日。ちょうどこのブログを投稿しはじめたタイミングでCrosscurrents Trioのことを書いたのを覚えています(こちら)
この日から今日までずっとリリースを待っていましたが、こんなに新譜のリリースが待ち遠しいのなんて久しぶりだなぁと思っています。
あらためてこのブログ投稿を見返してみると、メンバー3人の話題やこれまでアルバムもけっこう紹介していて、無意識のうちにこのアルバムのことが頭にずっとあったのかもしれません。
サブスクでも配信開始しています。今回は全曲載せちゃう。
”Good Hope”聴いてみました
1. Ziandi
ベースのリフが印象的なミディアムテンポの曲で、途中にベースソロなどもあり。ホランドが目立っている感じ曲ですね。
2. J Bhai
Bhaiは”brother”の意味で、Jは誰かの頭文字だとすると、ジョン・マクラフリンのこと?
ピッチを変えたタブラをいくつも叩きわけることで、タブラでメロディーを奏でるプレイが印象的。
曲の中でテンポが徐々に早くなり、ティハーイ呼ばれるフレーズの繰り返しでクライマックスを迎えるというインド音楽スタイルの曲ですね。これは盛り上がる。
3. Lucky Seven
ポッターはここで初めてソプラノサックス。
この曲はホランドの作曲なのですが、Dave Holland Quintetのアルバム『Critical Mass』(2006)での曲の再演。
この曲はいったい何拍子なんでしょうか?7サイクル?
自作曲ということでホランドがすごく活躍している感じですが、こういう変拍子の曲でカッコ良くバッキングするホランドはさすがですね。
4. Suvarna
ザキールの曲だけど、他の二人の曲よりもインド音楽っぽくないw
美しいメロディーを美しく演奏する、こういう曲を選ぶあたりは逆にザキールらしいのかも。
5. Island Feeling
タイトル通り南国音楽っぽい3-3-2テンポの演奏。
スリリングな展開は全く無いのだけど、聴いてて楽しいし、演奏している3人も楽しそう。
6. Bedouin Trail
この曲はDave Hollandがアルバム『Points of View』(1998)の中で取り上げていた曲の再演ですね。
不穏なメロディーが印象的なスローナンバー。
7. Good Hope
疾走感のあるリズムに印象的なテーマ。
先行シングルでタイトルトラック、まさにこのアルバムの代表曲ということでしょうね。実はインド音楽テイストは抑えめなのですけど、そんなこと関係なくカッコ良いです。
8. Mazad
ポッターがここで再度ソプラノ。メランコリックなメロディーを表情ゆたかに奏でるクロージングナンバー。
Dave Hollandが意外にも活躍
いや、もう最高のアルバムだったと思います。
インド音楽的なアプローチのアルバム前半、バラエティゆたかな曲を演奏する後半という区分けな気もします。(LPなら1枚目2枚目で分けているのでしょうか)
あらためて聴いてみると、思っていたよりDave Hollandが目立っていて彼のカラーが出ているかな。
あまり知らなかったのですが、Dave Hollandはもともとインド音楽を昔から取り入れてきたようですね。
※インド音楽的というか、1テンポを3分割、4分割、5分割、7分割・・・と不均等に分けていく南インドのSolkattu的な考え方なのだと思います。こういう方法論もザキールにとってはむしろ自然な考え方なのでしょうけど。