ハンコック・コンペの優勝予想ですが、完全に予想を外しました。(優勝者予想はこちら)
2019年のハンコック・コンペティション(ギター部門)は、ロシア出身のエフゲニー・ポボシー(Evgeny Pobozhiy)が1st place(優勝)でした。
オランダ出身のジェシ・ヴァン・ルーラー、ノルウェー出身のラーゲ・ルンドに続いて、これまでのコンペ全てでアメリカ外のプレイヤーが受賞するという結果です。
彼は動画をみるともっと若いかと思っていたのですけど、もう30歳。ハンコック・コンペの応募資格は30歳以下なので、ギリギリの年齢でしたね。
優勝予想する場合は、セミファイナリスト12人の動画を全部見ましたので、当然エフゲニーさんの演奏も聴いていたのですけど、もともとあんまり正統派のジャズを演奏するプレイヤーじゃなかったんですよね。
シンセがメンバーに入っていたり、ヴォーカルと共演したり、クロスオーバーというかフュージョンっぽいグループでの演奏が多かったです。
動画でもいわゆるフュージョンってテクニカルな演奏が多くて、Pobozhiyさんのプレイも速弾き風でテクニカルだったのですけど、「あまりコンペ向きじゃないかな」と思って優勝予想からは外したんですよね。
ただ本番では正統派ジャズもプレイして、よどみないスムースなプレイでカッコ良かったですね。彼が1st placeかというと良くわからないところではありますけど。
彼はこの優勝でアルバムデビューも約束されているのですけど、これまでの活動から路線を変えてジャズギタリストとしてやっていくつもりなんですかね?
それともティグラン・ハマシアンみたいに、いわゆる正統派ジャズではなくてちょっと変わった路線の活動をしていくのかもしれないですね。
一流になるには20年もかかるのか?
ハンコック・コンペは出場資格が30歳以下ということですけど、ジャズミュージシャンにとっては30歳くらいまではモラトリアム期間と考えられているということなのですかね。
たいていトップミュージシャンになる人は10歳くらいまでに音楽に触れていると思うので、一流プロになるには20年近くはかかるということなんでしょうか。
ちなみに今年のコンペ・ギター部門の審査員に、パット・メセニーもジョン・スコフィールドもいたそうですが、彼らは結構若い時からプロ活動をしていたように思いますね。
パット・メセニーは22歳の時に『Bright Size Life』をリリースしています。30歳というと『Rejoicing』のリリースですね。もう30歳ではトッププレイヤーでしたね。
スコフィールドも24歳くらいからビリー・コブハムなどいろんなミュージシャンのアルバムに参加していますね。
やっぱり最近は若手が20代からとか活躍しづらいのでしょうね。それはなんといってもメセニーやスコフィールドみたいな50歳を越えたような上の世代が元気に活躍しているからでしょうね。
エフゲニーさんもたぶん審査員たちをみて「早く辞めてくれないかな」と思っていたんでしょうね。