ベース2人、ドラム2人
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TOMAS FUJIWARA 'TRIPLE DOUBLE'
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> Amphitheatre, TONIGHT 9:30pm
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少し前、2019年8月9日のことですが、ドラマーのトマ・フジワラのグループ「トリプル・ダブル」のライブ告知がSNS上にあがっていました。
トランペット(コルネット)、ギター、ドラムによるトリオが2組いるので、トリプル・ダブルというグループ名のよう。
一時期シーンを席巻したGerald Cleaverの参加など、なかなか興味深いメンバーではあります。
みんなバスケユニフォームを着ているのは、バスケ用語の「トリプル・ダブル」とかけているからみたいですね。「トリプル・ダブル」は1試合で得点やアシストなど3項目で2桁ポイントをあげること。
それにしても、昔のラッパーみたいにボストン・セルティックスのジャージを着ているのが面白いですね。
(セルティックスは、アフリカ系が席巻することになるNBAで、最後まで白人プレイヤーを使い続けたチームです)
こういうメンバー構成ってごくたまにみかけるのですけど、ちょっと不思議な音のグループが多くて面白いなぁと思っていました。
今回は同じようなグループを集めて聴いてみました。
オーネット・コールマン『Free Jazz』
ほとんど人は、ダブルバンドというと『Free Jazz』を思い出すんじゃないでしょうか。
メンバーはこちら
鳴っている全部の音を聴きとろうとすると情報量が多くて追いつけないし、いつ聴いても初めて聴いたような気にさせるアルバムです。
ただ、ホーン奏者のアウトフレーズもそこまでアヴァンギャルドでもないし、ベースは一定のリズムをキープしています。聴きようによっては割と聴きやすいアルバムではあります。
いま聴きかえしてみると、むしろダブルバンドによる不可思議なアンサンブルという方が新鮮な気がします。
ジョン・ゾーンの『Spy vs Spy』というオーネット・コールマンのトリビュートアルバムも、ほぼダブル・バンド(ただしベースはひとり)です。
オーネットのキャリア全体をみるとダブル・バンドはむしろまれなのですけど、それだけこのダブルバンド編成にインパクトがあったということなのでしょうね。
Ned Rothenberg Double Band『Real And Imagined Time』
ダブル・バンドといえば、やっぱりこのグループは最高にカッコ良いですね。このグループを紹介するためにこの投稿をしていると言っても良いかも。
ネッド・ローゼンバーグとトマス・チェイピンがアルト・サックスを担当し、ベースとドラムが二人づつ。ベースとドラムはアルバムごとに変わっています。
これは同じ楽器(アルトサックス)を使うというのも明らかに意図的でしょうね。
ひとりの人間が2本のアルトを吹いているように聴こえたりもしますし、音が混ざりあってもっと濃密なインタープレイになっている気がします。
とにかく、ローゼンバーグとチェイピンの2人がさまざまなアイデアとテクニックを駆使して飽きさせずに最後まで聴くことができます。
『Free Jazz』はそれぞれが勝手に演奏している(ように聴こえる)し、聴き比べると面白いですね。
『Free Jazz』で、オーネットがもうひとりのアルトサックスをなぜ呼ばなかったのか、理由を考えてみるのも楽しいですね(自分が目立ちたかっただけかも、、)
それにしても、このNed Rothenbergのアルバムはサブスクで聴けないのが残念(Spotify,,,)
Derek Bailey, Pat Metheny 『The Sign Of 4』
Derek Bailey, Pat Metheny (guitar)
Gregg Bendian, Paul Wertico (drums,Percussion)
『Zero Tolerance For Silence』もそうですが、たまにPat Methenyはこういうフリーフォームなアルバムを出してしまうんですね。このアルバムも当然メセニーからのラブコールで実現したのだと思いますし。
ジャズではリズムをキープするのはベースの役割ですけど、このアルバムではベースもいないためリズムも完全にフリー。轟音ギターとパーカッシブなドラムが延々鳴り響きます。しかもアルバム3枚にわたって。。
ふだん「PMG最高!彼のギターの音色はまるでブラジルの風のよう」とか言っていた彼のファンは、これがリリースされた時は困惑したんじゃないでしょうか。
というより、むしろそういうファンをふるい落としにかかっていたのかも。
『Free Jazz』は今では違和感なく聴けるんですけど、さすがにこれは無理かなー。
4年後くらいにまた聴き返してみようと思います。
キング・クリムゾン『THRAK』
Adrian Belew,Robert Fripp (guitar)
Tony Levin (bass)
Trey Gunn (stick)
Bill Bruford, Pat Mastelotto (percussion)
再結成クリムゾンの第1作。1995年リリース。
デビューが1969年なので、クリムゾンはデビュー50周年なんですね。このアルバムは期間的にはちょうど半分の時期にリリースされたことになります。
ベースはトニー・レヴィンのみですけど、まぁStickという楽器もまぁベース的な役割ということで、、
いまいちドラム、ベースがふたりいる意味がよく分かりませんね。スタジアムでライブすることを想定して音を分厚くしたい、という狙いなのでしょうか?謎です。
70年代プログレの壮大でドラマチックな雰囲気やピリピリとして緊張感がなくなり、割と賛否両論だったアルバムのようですね。
無機質な轟音がアンビエント風に響いているのですけど、こういうカッチリと構成されたアンサンブルも悪くないです。
ただエイドリアン・ブリューのヴォーカルはさすがにちょっと、、という感じ。
Dave Douglas 『Sanctuary』
Dave Douglas,Cuoung Vu (trumpet)
Chris Speed (tenor sax,clarinet)
Anthony Coleman,Yuka Honda (sampler)
Mark Dresser,Hilliard Greene (bass)
Dougie Bowne (drums)←ドラムがひとりなのは大目に見てください
キーボードではなくサンプラーを使う、しかも2人で、というところがこのアルバムの聴きどころなのかな。
ファニーな音や不穏な音など、サンプラーを使ってバラエティに富んだサンプリング音を鳴らすことで、アヴァンギャルドな演奏をうまく中和しているようです。
人数が増えるとアンサンブルも複雑で難解になりがち、かなりチャレンジングな編成のよう。ローゼンバーグもそうですけど、難解なアレンジを難解なままレコーディングするのはダサいということなのか、彼らなりの工夫が面白いですね。