ベーシストのデイブ・ホランドが、新作アルバム『Another Land』をリリースしました。
今作はトリオ編成でのアルバムで、参加メンバーはこちら
Dave Holland: bass
Kevin Eubanks: guitar
Obed Calvaire: drums
この3人のトリオは数年前からフェスなどで共演はしているようですけど、アルバムは(おそらく)初めての組み合わせじゃないでしょうか。
ギターのケビン・ユーバンクスは『Extensions』(1990),『World Trio』(2006),『Prism』 (2013)などなど共演も多いです。
ドラムはオベッド・カルベアー(Obed Calvaire)というマイアミ出身ハイチ系のドラマーが参加しています。彼はベースのカルロス・エンリケつながりでウィントン・マルサリスと共演したりもしていますね。
ホランドのライブやアルバムでは、ドラムはエリック・ハーランドと共演することが多かったのですが、おそらくハーランドも忙しくなったから交替かも。ハーランドとカルベアーの2人は、西海岸にあるジャズの非営利教育機関であるSFjazz.orgと関係が強いので、そういったつながりなのかも。
このメンバーによる演奏動画もあり
演奏とは関係無いですがユーバンクスもカルベアーも、どちらも筋肉ムキムキですね。
この『Another Land』ですが、けっこうこれまでのホランドのアルバムとはイメージが違うのですけど、かなりロック/ファンクよりのフュージョンアルバムになっていますね。
ホランドはエレクトリック・ベースを弾いていますし、ユーバンクスがロックスターのように弾くディストーションギターが印象的なアルバムですね。
カッコいいといえばカッコいいのですけど、90年代風というか、イマドキなかなかこういう演奏をする人は少なそうです。
正直なところ、自分が好んで聴くタイプのアルバムではないかも。
余談
ところで、デイブ・ホランドっていうプレイヤーに関して、ジャズを聴く人はどういう印象を持っているんでしょうね。いまだに『イン・ア・サイレント・ウェイ』や『ビッチェズ・ブリュー』でもないでしょうけど。
このブログでは「デイブ・ホランド・クインテットは最高!」みたいな投稿をしたこともありますし、ホランドが参加した『Good Hope』はこのブログでは2019年のベストアルバムにも選びました。
このブログ的にはホランドは別格的な存在なんですよね。
ホランドは近年はワールド系のミュージシャンとの共演も多いのも、けっこう気になるポイントですね。
本作でも共演したケビン・ユーバンクス、ミノ・シネルとのWorld Trioとか、リオネール・ルエケが参加した『Aziza』とか。
ジャンルでいうと「ワールド・フュージョン」になるのかな。まあ正直ジャズファンからはあまり愛されていないジャンルのようにも思いますが。
ちなみに『Aziza』はJazzTimeという雑誌で、2010年代のベスト10枚に選ばれていましたね(→こちら)
この10枚はなかなか練られたセレクションで、選んだ人たちはさすがと言っていいかも。
好き嫌いは抜きにして「2010年代を代表する10枚を選んで」と言われたとして、この10枚以上にピッタリくるアルバムを選ぶ自信はないかも。