サックス奏者のクリス・バイヤース(Chris Byars)によるカルテット作品『Look Ahead』
クリス・バイヤースはSteepleChaseレーベルから10枚以上のアルバムをリリースしているベテランなのですが、本作はパスクァーレ・グラッソ・トリオが参加しているということで取り上げてみました。
ええ、このサイトはパスクァーレ・グラッソの音源はなるべく取り上げると決めてますので!
クリス・バイヤースは、4管、5管編成など、ラージ・アンサンブルっぽい編成でのアルバムが多い人なのですが、カルテット演奏というのはかなりレアですね。
メンバーは
Chris Byars(tenor saxophone)
Pasquale Grasso(guitar)
Ari Roland (bass)
Keith Balla(drums)
ベースのアリ・ローランドはバイヤースのグループのレギュラーですし、グラッソも何度もアルバムに参加しています。
ローランドとグラッソがまだミュージシャンとして駆け出しだった頃の恩人ということなのでしょうね。
こちらは、グラッソがデビュー当時から出演を続けるMezzrow Jazz Clubに、今年2023年にバイヤースのカルテットで出演した時の動画
やっぱりみんなネクタイしてスーツで、って出で立ちは、最近のジャズミュージシャンを見てると逆に異質ですねえ。
アルバムはというと、これまでのバイヤースのアルバムの延長線上にある感じ。バイヤースのソロもアウトすることなく、引っ掛かりのないあくまでビバップのマナーに沿った演奏ですね。
グラッソとローランドも、そんなバイヤースを盛り立てるように裏方プレイに徹しています。
パッと聴いた印象は物足りない感じは正直するのですけど、よくよく聴くとまるで長年ジャズの世界で受け継がれた伝統芸を聴くようで、何か隠された秘密を探り当てたくなるような、そんな演奏なんです。