韓国伝統音楽×フリーインプロ Black String『Karma』

しばらくブログ更新をサボってしまっていました。

最近のブログを見返しても特に新型コロナウィルスによるミュージシャンの訃報が多く、なんだか気が重いこともあって、あまりアルバムをチェックしていませんでした。新譜の紹介なども新型コロナの話題にかき消されてしまっているようですし。ぼちぼちと再開していこうかなと思っています。

韓国伝統音楽×フリーインプロ

最近良く聴いているグループが、韓国の伝統音楽とフリー・インプロやジャズをミックスした音を出すBlack Stringというグループです。『Karma』は前作『Mask Dance』(2016)に続く2枚めのアルバム。
彼女らはヨーロッパをベースに活躍しているグループで、WOMEXに出演したりと、いわゆるワールド・フュージョンっぽいカテゴリで語られているようです。

Personnel

Yoon Jeong Heo(Geomungo)
Aram Lee(Daegeum, Yanggeum, Danso, Taepyungso)
Jean Oh(Guitar, Electronics)
Min Wang Hwang (Janggu, Percussion, Voice, Taepyungso)
Guest : Nguyên Lê(Guitar)

4人組のグループで、唯一の女性でコムンゴ担当のYoon Jeong Heoさんがリーダー的存在みたいですね。
各メンバーがいくつものパートを担当してたくさんの楽器がクレジットされていますけどコムンゴ(Geomungo)、テグム(Daegeum)、チャンゴ (Janggu)、ギターという編成が基本のよう。

コムンゴの低音部をベースパートっぽく使ったり、通常バチで叩くパーカッションをフレームドラムやカンジーラのように手のひらで叩いたり、韓国の伝統音楽を使いつつ厚みのあるアンサンブルを聴かせてくれます。
Min Wang Hwangの、いわゆるパンソリっぽいメリスマをきかせた渋いヴォーカルもこのグループの聞きどころなんじゃないでしょうか。

あと軽くディストーションのかかったギターが加わるところも新鮮ですし、リバーブなどの音響処理などをうまく使ってアンビエントな雰囲気をうまく演出しています。

5曲めにレディオヘッドの『Exit Music – For a Film』をカバーしたりしていますが、こういうのあまり面白くないし余計だなぁと思いますね。

あと補足ですけど、2曲でベトナム系のギタリストグウェン・レが参加しています。まぁあんまり目立っていないけど。

新世代の韓国伝統音楽

韓国伝統音楽とフリーインプロの組み合わせでいうと、サムルノリ=レッドサンが連想されますね(以前の投稿はこちら
韓国伝統音楽はインプロ要素が強いので相性は良いと思うのですが、あまりインプロ系のミュージシャンとの共演も少なかったような気がします(わたしが知らないだけかもしれないけど)

ただBlack Stringについて書かれた記事を読むと、最近では彼女らの他にもNoreum MachiやAk Dan Gwang Chil (ADG7)など、伝統音楽をベースにしつつ現代的な音を聴かせるグループがいくつもあるようですね。