年末は音楽ファンにとっては一番楽しい時期かも。
いろんなメディアの年間ベストが発表されて、チェックできてなかったいろんな良いアルバムを知ることができますし。
そんな中、ワールド系雑誌Songlinesが年間ベスト10を発表していました。
大型新人登場!かも
このリストの1位にAYOMというグループがあがっていて、全然知らなかった名前なのでびっくりです。
(アルバムタイトルはセルフタイトル『AYOM』)
知らなかったのは、どうも最近(2020年11月)に1stアルバムをリリースしたばかりの新人グループだからのようです。
そんな新人の1stアルバムをいきなり1位に選んじゃうんですね。
パッと聴いた印象は伝統音楽よりのブラジリアン・ポップスという感じで、印象的な曲とキレの良い演奏が特徴的。
あまりブラジル音楽は詳しくないジャンルなので、どういう音なのかうまく説明できないのですけどね。
ただジャンルはあいまいな感じで、フラメンコなどのスペイン音楽っぽくもあり、アコーディオンの響きはフレンチポップスっぽくもあり。
Brazil to Barcelona
このAYOMというグループの中心は、ヴォーカルとパーカッションを担当するJabu Moalresさん。
彼女は2011年にブラジルのミナス・ジェライス州からバルセロナに移住し、その後もブラジルの民間信仰であるカンドンブレやアフロ・ブラジリアンの音楽などをベースにした、かなり伝統音楽よりの音楽活動をしていたミュージシャンみたいです。
パーカッションとコーラス中心で、例えるならToto La Monposinaを連想させるような音楽ですね。
この時の彼女の行っていたプロジェクトの動画がありました。
他にも彼女はTambor de Saia や Mandacaruといったグループを組み活動し、またソロとして『Jabu』『Malungo』という2枚のアルバムをリリースしています。
そのJabu Moralesさんが、2018年にForró Miórというリスボンを拠点とするグループのコンサートを観て、メンバーと意気投合しセッションを重ね、新たに結成したのがAYOMというグループということです。
まあこういうの、「たいていメンバーの誰かと付き合うことになったんだろうな」とは思うのですけど。
Forró Miórは、スペインにたくさんいる(Ojos de Brujoのような)ミクスチャーバンドのひとつだったみたいです。
こういうジャンルのグループは、さすがに楽器演奏のテクニックは抜群ですね。
ほとんどのスペインのミクスチャーバンドはルンバとかマグレブといった方向へ向かうことが多くて、正直いうと暑苦しいことも多いのですけど、このAYOMはJabu Moralesさんによるプラジリアン・ポップスのフィーリングが心地良いです。
かつてのラジオ・タリファとかオホス・デ・ブルッホみたいに人気グループになる可能性があるグループかも。