(今回書くのは、2019年7月に旧HPに書いた文章の再掲です)
もう7月になろうとしていてもう1年の半分が終わろうとしていますね。
twitterではこの節目のタイミングで「上半期ベスト10」を発表している人がたくさんいるみたいです。
わたしもベスト10選んでみたいと思うのですけど、正直なところ新譜をマメにチェックしている訳ではないのでちょっと難しいかなーとか思ったり、、(そんなので音楽についてブログ書くなよ!、と言われそうですけどね。
個人的ベスト10は年末までになんとか選ぶとして、今回は雑誌が選んだベスト10アルバムを聴いてその感想を書いてみようかなと思っています。
アルバムを聴きながらその場でフィーリングで感想を書くので完全に予備知識無しです。
海外サイトの2019年上半期ベスト10
そこで上半期にどういうアルバムが発売されて話題になったのか、海外のサイトで調べてきました。
このランキングは、海外のいろんな雑誌やサイトの評価を集計したものです。雑誌ごとに部数も違うだろうし、どういう集計方法かは良くわからないのですけど
このサイトでは「批評家ランキング」と「ユーザーランキング」が見れるのですが、ここではユーザーランキングを見てみることにします。ランキングなので、現在はランキングも変わっているはず。
ランキングトップ10はこちら
※わたしが勝手に1曲づつセレクションしました
1枚づつ聴いてみた
それでは聴いていきます
1. Freddie Gibbs & Madlib – Bandana
ユーザーランキング1位はヒップホップ。もはやチャート上位はヒップホップが当たり前ということなんですね。
BPMが割と遅めでベースが地を這うような、重苦しい感じの曲が続きますね。
バックトラックのサンプリングもエレクトリックピアノが印象的で、古めのソウル/R&Bっぽいテイスト
こういうちょこっとだけアヴァンギャルドな感じを混ぜたトラックというのが今のトレンドなんですかね?
聴いててちょっと退屈な気はするかな。ひっかかりというかフックが足りない気がします
今は、例えばArrested Developmentみたいなポジティブな音はお呼びでない感じということなのかな?
2. Weyes Blood – Titanic Rising
このアルバムのジャンル分けが「ART POP」となっているのですけど、聞いたことある人います?
同じカテゴリのミュージシャンだとJames Blakeとかもこのカテゴリに入るらしいです。シンガーソングライター(SSW)系のジャンルをそう呼ぶのかな?
確かにこのアルバムもSSW系のトラックっぽくて、リズムもシンプルで囁くような優しい女性ヴォーカルがのっかるメランコリックな雰囲気のアルバムですね。
なんとなくカーペンダーズみたいに聴こえる場面も、、
でもなかなか良いかも。癒されます。
“今風の”EDMとかヒップホップが苦手な人は気にいるかもしれませんね。
3. Tyler, the Creator – IGOR
このアルバムを上半期ベストにあげていた人は本当に良く見かけましたね。
先日は朝の情報番組でも取り上げられたりしました。わたしは今回初めて名前を知ったのですけどね(流行に取り残されてる、、)
彼はラッパー兼プロデューサーということですけど。ビルボードでNo.1を取るほどメジャーアーティストらしいです。
いま聴いているのですが、ラップアルバムといいつつラップがぜんぜん出てこないじゃないですか。
シンセの音なんかも(意識的だと思いますけど)チープでローファイな感じで、まるでラッパーが音入れする前のバックトラックを聴いているような錯覚に陥りますね。
「こういうの聴きたいなら、なんでラッパーのアルバム選んじゃうのかな?」というのが聴いた印象
4. Little Simz – GREY Area
ここでもヒップホップアルバム。
生音っぽいローファイなトラック。語りかけるような気だるいラップ。
いまのヒップホップは、トラックを聴くと体が自然にリズムを取ってしまうとか、もはやそういうジャンルでは無いみたいですね。
アップテンポでもローテンポでもなく、何が悪いという訳じゃないけれどなんか中途半端な感じのアルバム。
5. black midi – schlagenheim
このアルバムもよく上半期ベスト10に挙げている人が多かったですね
ジャンル分けでは「EXPERIMENTAL ROCK」ということらしいですけど、ちょっと意味がわかりません。
(海外のサイトはジャンル分けが本当に細かいです)
コード進行感が希薄で、いつまでも延々と続きそうなバックの演奏。あまりロックっぽくないポエトリーリーディングのような囁くようなヴォーカル。
ただ、よくよく聴いてみるとバックの演奏はなんだかプログレっぽく聴こえる気がしますね。ヴォーカルがユニセクシャルなところもプログレっぽい(ヴォーカルがヘナヘナしている)
プログレ好き、ノイズミュージック好きで、混沌とした音の渦に浸りたい人におすすめかも。
6. Thom Yorke – ANIMA
トム・ヨークは個人的にはこういうプチプチ、ブツブツいうエレクトロニカっぽいトラックが好きということなんですね。例えるならオウテカのデモトラックみたいな感じ?
こういうトラックにヴォーカルが入るのはやっぱり少し違和感があって、このアルバムを聴いた人も「こりゃ逆にトムのヴォーカル要らないな」と思っちゃうんじゃないですか?
とりわけトム・ヨーク自身が「オレのアルバムにはもうヴォーカルいらねえかも」って、そう思っていそう。
とはいえ、トム・ヨークのアルバムであることを忘れて聴いてみると悪くないと思います。
7. MIKE – tears of joy
MIKEというグループの「tears of joy」という曲なのか、tears of joyというグループの「MIKE」という曲なのかわかりづらいなー、なんて思いながら聴きはじめた曲
「ABSTRACT HIP HOP」というまたまた謎ジャンルのグループです。
このサイトは「どのジャンルか良くわかんないヤツらは、「ABSTARCT」とか「EXPERIMENTAL」とか頭に使って適当にジャンルを作っておけ」というお達しでも出ているんでしょうか。
サンプリング音をぶつ切りにして再構築し、リズムのはっきりしないトラックが特徴的ですかね。
ノリづらいトラックにいかにカッコ良くラップをのせられるか、というゲーム感覚・大喜利感覚を感じるアルバムですね。
あまり聴いたことない斬新な音ではあります。
繰り返し聴くと楽しくなるかもしれないけど、繰り返しは聴かないだろうなぁと思います
8. Car Seat Headrest – Commit Yourself Completely
「INDIE ROCK」というカテゴリらしいですけど、ストレートなロックアルバムです。
スタジオでちゃんと作りこまれた感じが、80年代から90年前半のUKロックみたいです。(U2とかシンプル・マインズとか、ああいうやつ)
ドラマチックな曲調がグッと来るのですけど、ただもうちょっとヴォーカルがカッコ良い感じに歌ってくれるとありがたいかな。
9. Otoboke Beaver – Itekoma Hits
「どーんとらいと、まいふぁいあ!どーんとらいと、まいふぁいあ!」
Don’t Light My Fire ハートに火をつけたならばちゃんと消して帰って
おとぼけビーバーは日本人女性4人組によるハードコア・パンクバンドみたいです。
もうとにかく「早い」「うるさい」曲が満載のアルバムで、個人的には好んで聴く音楽じゃないかな。
ただ(CHAIなどもそうですけど)日本のグループが海外で人気というのは素直にうれしいですね。
10. Beyonce – HOMECOMING: THE LIVE ALBUM
ドキュメンタリーフィルムも作られた、ビヨンセの2018年コーチェラライブの様子を収めたアルバムらしいです
マーチングバンドっぽい、ブラスバンドっぽいバックの演奏がこのライブの売りらしいのですけど、日本人には甲子園のアルプススタンドのブラスバンド応援みたいに聴こえます。
聴いててそんなに盛り上がる感じでもなく、「いつも通りの感じで演奏した方が良いのでは?」という印象。
まとめ(もう無理やりだぁ)
「雑誌が選ぶ2019年上半期ベスト10」を聴いてきたのですけど、個人的に繰り返し聴きづつけるようなアルバムは無かったかな。ちょっと残念な結果です。
全体的にビルボードっぽいレセクションな気がしますが、雑誌ごとのランキングをぜんぶ平均しちゃうとこういうセレクションになっちゃうんですかね。
そんな中でトム・ヨークのアルバムはレベルが高くて、さすが大物ミュージシャンという感じでしたね。